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蓮華三昧経

れんげざんまいきょう #4641

蓮華三昧経

れんげざんまいきょう

詳しくは『妙法蓮三昧秘密三摩耶経』略して『蓮華三昧経』、または『無障礙経』(伝源信真如観』等)とも呼ばれる。
一巻。
『続蔵』一・三・三巻所収。
不空訳という伝説もあるが、中撰述か、または日本撰述であることは島地大等『学史』が既に論及したところである。
不空造の『法華観智儀軌』と法華曼荼羅の図画の仕方に大異があるから、不空造ですらない。
また島地大等は円珍造かともいうが、よく検べてみると『講演法華儀』とも曼荼羅図様に相当の隔りがあるから、円珍造とも思えない。
しかし五大安然はしばしば本経の本覚讃を引くから、安然には既に存在していたことになる。
安然の『菩提心義』(日蔵・台密三・六〇五上)によると本経は「空海和上所伝」であるといい、『谷響集』一〇によると「智證大師、十巻中の至要を抜いて請来」という。
もし仮するとすれば、叡山で最も法華曼荼羅研究によく従事した円珍造とするのが最も妥当か。
本経の説処は法界宮、教主は摩訶毘盧遮那遍照薄伽梵(大日如来)、対揚は金剛薩埵、説時は寂光海会と共に自受法楽
初めに「帰命本覚心法身 常住妙法心蓮台」云云の七字一句からなる八句の自証偈があり、円珍の『講演法華儀』の頌、伝源信作の『本覚』と同一である。
日蓮聖人は『八宗違目鈔』で、華厳宗一念三千を用うる証拠の一としてこの頌を引用するが、八句ではなくて十句である。
つまり「三十七尊住心城」の次に「心王大日徧照尊 心数恒沙諸如来」の二句が付加されている。
異本であろう。
次に直ちに法華曼荼羅の図様を凡そ五種提示する。
金胎両部合行である。
一に台の一経三段分科法によるもの。
二に台の二経六段分科法によるもの。
以上は一経全体の曼荼羅化、以下は品別の曼荼羅である。
三に方便品の曼荼羅、ここでは十如是曼荼羅化している。
四に見宝塔品並びに寿量品による無量寿命決定王如来を中尊とする曼荼羅
五に陀羅尼品では十羅刹女の曼荼羅を画く。
一経全体並に各品曼荼羅の相互間には関係はなく、各々独立している。
「又一々品々文々句々皆有八葉」というから、本来ならば無数の曼荼羅を画くことができるわけである。
中に就て注意すべき点は方便品曼荼羅を示す中に法華肝心真言及びその解説を示すが、これは『開目抄』(定五七〇頁)に示される「善無畏三蔵の法華経の肝心真言」の文と大同小異である。
また寿量曼荼羅では中胎に無量寿命決定王如来を画き、その宝冠の左に釈迦(胎蔵界大日)、右に多宝(金剛界大日)を安置する。
この如来を名義の類似から日蓮聖人時代には無量寿仏と見る伝承が生じていたものと思われる。
また八葉の四方四に上行等の四菩薩を配置するのは、聖人の大曼荼羅に先行する試みである。
《島地大等『台教学史』、浅井円道「本尊論の展開」『中世法華仏教の展開』、『遺文辞典』歴史篇「蓮華三昧経」の項、『仏書解説大辞典』「妙法蓮華三昧秘密三摩耶経」の項

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