天
天
てん
(一)一般には虚空、天空のこと。
(二)天界、天上界、天道、天趣、天有(てんぬ)と同じ意味で、十界、六凡、六道、六趣の中の一つ。
三界の中の欲界には四天王・忉利天(三十三天ともいい、この天の主が釈提桓因、即ち帝釈天)・夜摩天・兜率天・化楽天・他化天(第六天ともいう)の六天があり、これを六欲天という。
色界には初禅天に梵衆天・梵輔天・大梵天の三天、第二禅天に少光天・無量光天・極光浄天の三天、第三禅天に少浄天・無量浄天・遍浄天の三天、第四禅天に無雲天・福生天・広果天・無想天・無煩天・無熟天・善現天・善見天・色究竟天の九天、合わせて十八天がある。
無色界には空無辺処天・識無辺処天・無所有処天・非想非非想処天(有頂天ともいう)の四天がある。
これらを合せて三界二十八天という。
(三)天界に住する天人や天衆をいう。
諸天善神のこと。
大梵天王と帝釈天と四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)とを併せて「梵釈四王」といい、仏法守護の善神とする。
日蓮聖人は梵天・帝釈ともに法華経序品において、その会座に列なっていることから、法華経守護の善神とし、大曼荼羅にも勧請している。
聖人が『開目抄』等において「天の加護」「天の御計い」等と述べているのは、これら諸天善神の法華経ならびに法華経の行者に対する守護を意味する。
《『遺文辞典』歴史篇「天」の項》