兜率天
兜率天
とそつてん
六欲天の第四天のこと。
兜率は梵語(Tuṣita)で、都卒、兜率陀・都史哆などと書き、上足・妙足・智足の意である。
この天は七宝の宮殿で内外の二院があり、内院は将来仏となるべき菩薩の住処とされ、釈尊もかつてここで修行されたという。
現在は弥勒菩薩が住み、釈尊の化益に洩れた衆生を救済するために説法し、外院は天衆の遊楽する処であるとされる。
また法華経勧発品には「兜率開会」ということが説かれている。
即ち爾前の諸経では、衆生の機根を調養するために兜率往生を説いたが、法華経に至って衆生の機根が熟したので、爾前の方便説を開いて真実に会入せしめ、法華経を説のごとく行ずる者が兜率天に往生すると説くことをいう。
『撰時抄』に「弥勒菩薩は兜率の内院に」(定一〇〇三頁)と、『上野尼御前御返事』に「今こそ入道殿は都率の内院へ参り給ふらめ」(定一八九三-四頁)とある。
《『遺文辞典』歴史篇「兜率天」の項、『広説仏教語大辞典』「兜率天」「都率」「都史多天」の項、『岩波仏教辞典』『図説仏教語大辞典』「兜率天」の項》