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虚空会

こくうえ #4667

虚空会

こくうえ

法華経説法の会座の一。
法華経が説かれた場所と会座を二処三会(にしよさんね)といい、二処とは霊鷲山と虚空、三会とは前霊山会、虚空会、後霊山会をいう。 見宝塔品から嘱累品に至る十二品は、仏は大地より涌出して虚空に在る多宝塔の中に坐し、大衆もまた仏の神力によって虚空に接在されての説法であるから、これを虚空会という。
この会座の説法を概説すれば、宝塔品で多宝塔が涌出し、多宝如来の「皆是真実」の証明がなされ、十方世界より分身仏が来集し、三変土田して通一土となる。 これより釈迦・多宝・分身仏の三仏が並び処しての説法となり、三箇の勅宣六難九易をもって滅後の弘経が勧められる。
提婆品においては提婆達多と女人竜女の成仏が示され、勧持品では諸の菩薩が二十行の偈をもって値難忍受の弘経を誓願する。
安楽行品では初心浅行の菩薩の弘経方法として四安楽行が示される。
涌出品において本化地涌の菩薩が末代弘経の使命を担って大地より涌出し、寿量品の本仏釈尊の久遠実成の開顕となる。 更に身の常住のみでなく国土の常住が説かれ、娑婆即寂光浄土と開顕される。
そして分別品・随喜品・法師功徳品においては、仏滅後の法華経護持の功徳を説いて流通が勧められ、不軽品では不軽菩薩の故事を語って、法華経の行者を毀ると護持する功徳が示されている。
神力品において十神力を現して本化地涌の菩薩に対して妙法を付嘱され(別付嘱)、嘱累品において一切の菩薩に対して法華経が付嘱(総付嘱)されるのである。
このように虚空会十二品においては、本門の教義の中心をなす久遠本仏への信仰が開顕され、仏滅後の法華経弘通における菩薩行の実践が強調され、娑婆即寂光を説いて土の浄化を示している。 説法の主体は釈尊であるが、客体として多宝如来と十方の分身の諸が現れるのが前後の十六品とは異なる。
ここでの説法の目的は滅後の付嘱の儀式を通して滅後末法衆生化救済することにある。 その滅後衆生救済の法とは『観心本尊抄』に「地涌千界の大菩薩を召して寿量品の肝心たる妙法蓮華経の五宇を以て閻浮の衆生に授与せしめたもう」(定七一六頁)とあるように五重玄具足の妙法五字であり、日蓮聖人はこの妙法を虚空会説法の儀式に則り、曼荼羅に顕現されたのである。
虚空会十二品は迹門の流通分から本門の流通分に亘っており、諸品の間の思想的脈絡は複雑であるが、聖人は寿量品を中心に眺めて「起顕竟」の法門を立てられ、法華経の末法為正を強調し、本化地涌上行の自覚に住して末法の一切衆生救済のため、また土建設のための法華経弘通に専念されたのである。
《『遺文辞典』歴史篇「虚空会」の項》

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