妙法五字
妙法五字
みょうほうごじ
妙法蓮華経の五字をいう。
妙法蓮華経は教主釈尊が末代に留められた唯一の衆生済度の大法である。
日蓮聖人はこれを『観心本尊抄』に「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す。我等この五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与へたまふ」(定七一一頁)と述べられている。
妙法五字には釈尊の因行果徳が具足するゆえに、五字を受持することによって、我らは因果の功徳を自然に譲与されるのである。
『撰時抄』(定一〇〇四頁)、『妙法尼御前御返事』(定一五三七頁)、『九郎太郎殿御返事』(定一六〇三頁)等に題目即仏種、『観心本尊抄』(定七二〇頁)に一念三千即五字の説示が見られる通り、釈尊の因果とは仏種であり、一念三千である。
従って妙法五字の受持とは釈尊の本因本果たる仏種の受領であり、釈尊を自己の所具とすることである。
五字の受持は南無妙法蓮華経の七字であるが、聖人は五字・七字を明確に区別せず「南無妙法蓮華経の五字」「南無妙法蓮華経の五字七字」「妙法蓮華経の七字五字」等と表現されている。
これは五字と七字が異なって在るのではなく、五字は七字において五字であるという両者不可分の関係を示されたものである。
《『遺文辞典』教学篇「妙法蓮華経五字・妙法蓮華経の五字(みょうほうれんげきょうのごし)」「妙法五字」の項、『日蓮辞典』「妙法五字」の項》