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具足

ぐそく #776

具足

ぐそく

円満に具備すること。
十界におのおの十界具足することを十界互具という。
日蓮聖人は特に九界と界の関連に救済の原を追究された。 界をいかに具足するかに成仏の有無が論じられたのである。
観心本尊抄』の「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す。 我等この五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与へたまふ」(定七一一頁)の文は具足の論理を背景に救済のあり方を示されたものである。 そこには妙法五字に釈尊の功徳が具足し、我等の五字の受持によってその功徳が自然譲与されるという、釈尊因行果徳の五字と受持の我等が具足の論によって結ばれている。
五字に功徳を具足する論理の背景には十界互具論・一念三千論・法華経功徳論・題目功徳論・仏種論などが指摘できる。 なかでも題目功徳論は、「妙」に具足の義を論じることによって功徳の自然受得が論証されている。
我等の受持によって仏果を具足する論理の背景には唱題功徳論・聞名功徳論・信心浄土論・信心功徳論・受難成仏論などが指摘できる。 なかでも唱題功徳論は法華経安楽行品提婆達多品陀羅尼品・『涅槃経』名字功徳品等によって論証されるもので、題目の功徳の甚大なることと共に、これを唱えることの功徳を論じて唱題正行論を展開されるのである。
以上のように所具の功徳論が釈尊因果の功徳に相即し、これが我等の受持において成就するのが法華経の具足論である。
《『遺文辞典』教学篇「具足」の項、『日蓮辞典』『岩波仏教辞典』「具足」の項》

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