因果
因果
いんが
原因と結果のこと。
結果を生ぜしめるものが因で、因によって生じたものが果。
原因があれば必ず結果があり、結果があれば必ず原因があるというのが因果の理で、一切の万法のことごとくこの因果の法則によって生滅変化し、一として因果の理から離れたものなしとするのが、仏教の根本原理であり、教義の立脚地である。
従って因果論は大・小乗を通じて最も詳細かつ深長に研究論義されてきた。
十二因縁から始まり、善因楽果・悪因苦果の因果の理法の研究、「因分可説、果分不可説」などの因果の法体に対する論義、また因果の行体や位階についての説、更に激しい論義をよんだ因果の空間的関係、時間的関係についての教説の展開、その他因果に関して仏教思想はその成立時より今日に至るまで精力を費してその解明に努めてきた。
しかし法華経ほど因果論による救済を明示した教えはない。
法華経の本門は、本因本果の法門と称される如く、本仏の久遠本時の因行と果徳を顕し、この本因妙と本果妙によって真の十界互具一念三千の義が成じて、無始の九界(凡夫)と無始の仏界(仏)が相即円融し、凡夫成仏の道が樹立されているのである。
日蓮聖人は『開目抄』(定五五二頁)で二乗作仏・久遠実成からこの本因本果の法門を説き、『観心本尊抄』(定七一一頁)で釈尊の因行果徳は妙法蓮華経の五字に具足されているから受持すればよいという受持成仏を提唱して、法華経の因果論の奥旨を明かしている。
《『遺文辞典』教学篇「因果」「本因本果」の項、『岩波仏教辞典』「因果」の項》