地涌の菩薩
地涌の菩薩
じゆのぼさつ
法華経涌出品において大地より涌き出で、釈尊の説法を助け滅後の法華経弘通を誓った本化の菩薩のこと。
地涌の大士・地涌千界の大菩薩・下方の菩薩・本化の菩薩・本門の菩薩ともいう。
経文には迹化他方来の菩薩が滅後の法華経弘通を請願したところ、仏は「止みね善男子、汝等が此の経を護持せんことを須いじ」と拒絶し、法華経弘通の特別な弟子があることを「我が娑婆世界に自ら六万恒河沙等の菩薩摩訶薩あり。
一々の菩薩に六万恒河沙の眷属あり。
是の諸人等能く我が滅後において、護持し読誦し広く此の経を説かん。
仏是れを説きたもう時、娑婆世界の三千大千の国土、地皆震裂して、其の中より無量千万億の菩薩摩訶薩有りて同時に涌出せり」と述べられたのである。
即ち釈尊の滅後末法弘通の召命に応じて大地より涌出したから「地涌の菩薩」といい、この菩薩は釈尊が久遠の昔に成道し最初に教化した本仏の所化であるから「本化の菩薩」と呼ばれ、上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩を上首とする。
この地涌の菩薩の出現によって釈尊は自らの久遠を開顕し、法華経本門の大法が説かれるのである。
そして釈尊は法華経神力品で上行等の四菩薩を上首とする地涌の菩薩に「妙法蓮華経」を付嘱し、末法の弘通を命じたのである。
法華説法の中でも最も重要な部分に位置し、重大な役割を担う菩薩であり、日蓮聖人の宗教はこの地涌の菩薩の思想に基づいて成立している。
《『遺文辞典』教学篇「地涌菩薩・地涌の菩薩(じゆのぼさつ)」の項、『日蓮辞典』『岩波仏教辞典』「地涌の菩薩」の項》