娑婆
娑婆
しゃば
Sahāの音写。
語源的には「忍ぶ」の意。
忍土・堪忍土・忍界と漢訳する。
この世界の衆生は内に種々の煩悩があり、外には風雨寒暑などがあって、苦悩を堪え忍ばねばならないから、この名称がある。
この世界には三悪五趣が雑会するところから「雑会」とも訳されるが、その梵語はSabhāである。
『四恩鈔』に「此娑婆世界より外の十方の国土は皆浄土にて候へば、人の心もやはらかに、賢聖をのり悪む事も候はず。
此国土は、十方の浄土にすてはてられて候十悪・五逆・誹謗賢聖・不孝父母・不敬沙門等の科の衆生が、三悪道に堕て無量劫を経て、還て此世界に生て候」(定二三四頁)等の説明がある。
『善無畏三蔵鈔』(定四六八頁)にも同様の説明あり。
法然はその故に末代の娑婆を修行不適当の処として捨てたが、聖人はこの娑婆こそ久遠の釈尊の本土であるから、娑婆を仏国土とするよう四海帰妙に精進しなければならないと諫める。
《『遺文辞典』歴史篇「娑婆世界」の項、『日蓮辞典』「娑婆世界」の項、『広説仏教語大辞典』『新版仏教学辞典』『岩波仏教辞典』「娑婆」の項》