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七方便

しちほうべん #85

七方便

しちほうべん

(1)七賢ともいう。 七種の方便位のこと。
(一)小乗教声聞の修行位中における七賢位のこと、即ち見道の聖位に入る方便の行位をいう。 これを七方便位ともいう。
(二)台ではこれを二種に別ける。
 (ⅰ)円教一仏乗の教を受けるまで、方便誘引される七種の機根、即ち人・天・声聞・縁覚・蔵教の菩薩・通教の菩薩・別教の菩薩をいい、七方便人ともいう。 また蔵声聞・縁覚・菩薩、通教の声聞縁覚菩薩、別教の菩薩を挙げる説もある。 法華経薬草品の三草二木の譬喩の意によって立てられたもの。
 (ⅱ)蔵声聞・縁覚・菩薩、通教の声聞・縁覚・菩薩、別教の菩薩をいい、見思の二惑を断ずる上に立てられた方便位。 日蓮聖人は『戒体即身成仏義』において「七方便は蔵通の二乗四人、三蔵経の菩薩、通教の菩薩、別教の菩薩三人、已上七人」と示されている。
《『遺文辞典』教学篇「七方便」の項、『天台学辞典』「七方便」の項》

(2)日蓮宗の法式において用いられる用語。
『宗定日蓮宗法要式』第二篇行軌作法の項、第二章の題目で、その内容は法要式についての必須事項を七ヵ条に分けて、具体的に解説したものである。
そして、この七方便の原典は、優陀那院日輝の『充洽園礼誦儀記』であって、この本には「五方便」と名付けて、
(一)定立本尊(法要を修する道場には、必ず十界大曼茶羅本尊を掲げ三世十方常住諸尊を請ずる)。
(二)厳浄道場(本地土を光顕せんがために、道場を光飾荘厳する)。
(三)浄身整衣(色身浄潔)、六根清浄にして身心快楽ならしめる)。
(四)供養香華(香花灯明、茶菓肴膳を供え、諸仏に供養衆生を利益する)。
(五)調節(鐘、鼓、鏧、などは、法会の始終を報じ、気を通じ声を補ない曲節をととのえるに用いる)
の五項を掲げ、方便と名付けたのは「止観ニ二十五方便ヲ明スニ。事ニ託シテ理観ヲ成セシム。 故ニ今ニ就テ理ヲ談シ。運心観行ノ指南トスルナリ」と述べているように、三宝給仕の具体的なあり方(事相)を示して、その中にふくんでいる意味(理観)を体得させる手段とするという意味である。
『宗定日蓮宗法要式』に於ては、五方便に「坐作進退」、「式具作法」の二項を加えて「七方便」と名付けているが、事相のみを記して、理観にはほとんどふれていない。
《『宗定日蓮宗法要式平成版』、大東出版社刊『充洽園全集』第二編》

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