鏧
鏧
きん
「鏧子」又は「打鳴し」ともいい、流派によっては、「金鋺」ともいう。
銅製鉢形の法具で、これを鏧台に按じ「バイ」で打ち鳴らすのである。
法会の初めに之を打つ理由について、『傳通記糅鈔』第二七に「感通伝に云く、法会の砌に初めて鏧を打つ時、地行夜叉之を聞き、速かに飛行夜叉に告げ、飛行夜叉速やかに諸天に告ぐ、適ま一善あらば、萬遇過をなさず、諸天必ずその砌に影嚮す」と記し、勧請の意義を以て鳴らすことを示している。
式の始終、導師礼盤の昇降等には、三打(大小大)五打(大大小小大)七打(大大大大小小大)等適宜に打つ。
又三帰の後即ち「奉送の前には三打する。」とは『礼誦儀記』の示すところである。
また、読経の場合、題号を読み終って本文に入ったら三打し、経の終りには二打するなどいろいろあるが、鏧は法要の進行の上で全体をひきしめていく重要な働きをするものであるから、式衆の中の首座がこの役をつとめるのである。
これを鏧座(きんざ)という。
図版