解説
解説
げせつ
すべての煩悩や障礙等の繋縛から解きはなされ、迷いから脱することをいう。
毘木叉または毘木底と表記され、また脱益ともいう。
『大般涅槃経』第五には広く百句解脱が説かれているが、その中に「涅槃をば名づけて解脱となす」とある。
法華経の中でも、薬草喩品には「その法は一味にして、解脱・涅槃なり」とある。
従って解脱は仏の悟りの境地たる涅槃と同じ意味に解されていることが分かる。
また方便品や譬喩品には、如来の知見のことを「禅定・解脱・三昧」という言葉を用いて説明しているし、安楽行品では「禅定・解脱・無漏の根・力」というようにも用いられている。
共に無礙無繋であって、一切の煩悩から解放され貪著の縛から脱出した境地を指しているのである。
日蓮聖人は『始聞仏乗義』の中で『摩訶止観』の「生死即法身・煩悩即般若・結業即解脱」の文を釈して、生死とは我ら苦果の依身であり、煩悩とは見思・塵沙・無明の三惑のことであり、結業とは五逆・十悪・四重等であるとし、般若とは報身如来であり、解脱とは応身如来であるとし、我ら衆生は無始昿劫よりこのかた生死・煩悩・結業の三つを具足して来ているが、今法華経に値うことによって、三道は即三徳と転じ、即身に仏果を得ることができるものであるとしている。
即ち妙法の力によって、ただちに即身の解脱をうることができるというのである。
《『遺文辞典』教学篇「解説(げせつ)」の項》