妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

縁覚

えんがく #4478

縁覚

えんがく

梵語の辟支仏(ひやくしぶつ)(pratyekabuddha)の訳。 独覚・縁一覚・因縁覚とも訳す。
えによらず自ら道を悟った聖者。 ひとり自利の行に努め、静寂を好み、他人をえ導かないとされる。
声聞と共に二乗と呼ばれ、利他の菩薩と区別される。 十界の中第七番目の界。
師無くして独悟する故に独覚といい、また十二因縁を観じて生死を超脱して涅槃の境涯に達し、あるいは飛花落葉などの縁に触れて修行し理法を悟る故に縁覚という。
独覚には部行独覚と麟角喩(りんかくゆ)独覚の二つがある。 部行独覚とは、前三果の声聞が第四果を得る時、教を離れてひとり勝果を得ることをいい、麟角喩独覚とは、麟の一角のように独居して百大劫に菩提の資糧を修行して道を悟ることをいう。
法華経以前の諸大乗経は声聞縁覚の二乗の不作を説くか、あるいはその問題に触れていない。 しかし法華経は二乗不作方便説にして、実にはただ一仏乗あるのみという真実を明かし、灰身滅智有余涅槃に入れる二乗の人びとを回心して悉く菩薩として成仏させてる。
日蓮聖人は『開目抄』(定五五二頁)で、迹門方便品一念三千・二乗作仏は、いまだ発迹顕本していないのでまことの一念三千もあらわれず、二乗作仏も定まっていないが、本門において久遠実成が顕されるや、九界も無始の仏界に具し、仏界も無始の九界に具すことにより、真の十界互具・一念三千となり、本有の二乗界の成仏が実現できるのであると述べる。
《『遺文辞典』教学篇「縁覚」の項、『広説仏教語大辞典』『新版仏教学辞典』『岩波仏教辞典』「縁覚」の項、『台学辞典』「独覚」の項》

← 事典トップ