灰身滅智
灰身滅智
けしんめっち
御遺文の『戒体即身成仏義』に「此二乗(声聞・縁覚)は法華已前の経には、灰身滅智の者、永不成仏と嫌はれし也。
灰身と申すは、十八界の内十界半の色法を断ずる也。
滅智と申すは、七心界半を滅する也」(定四頁)、『一代聖教大意』に「無漏禅は声聞・縁覚と成て見思を断じ尽し灰身滅智する也」(定五七頁)、『太田左衛門尉御返事』に「在世の二乗が此等の諸苦を失はんとて、空理に沈み、灰身滅智して、菩薩の勤行精進の志を忘れ、空理を證得せん事を真極と思也」(定一四九五頁)、『大田殿女房御返事』に「其心は二乗と申す者は鹿苑にして見思を断じて、いまだ塵沙・無明をば断ぜざる者が、我は已に煩悩を尽したり、無余に入て灰身滅智の者となれり。
灰身なれば即身にあらず、滅智なれば成仏の義なし」(定一七五四頁)とある。
灰身滅智は文字どうり、身を灰にし、智を滅することであり、身心ともに絶滅することをいう。
これは日蓮聖人も述べられているように、小乗仏教の二乗である声聞と縁覚の最終目的である。
これを無余涅槃という。
《『遺文辞典』教学篇「灰身滅智」の項、『天台学辞典』『岩波仏教辞典』「灰身滅智」の項》