菩提
菩提
ぼだい
梵語bodhiの訳で覚・智・道とも訳す。
煩悩・所知の二障を断じて得る正覚智や涅槃にいたる因道をいう。
あるいは俗に仏道や冥福の意味に用いる。
『大智度論』第五三巻には阿羅漢・辟支仏・仏に菩提を論じ、この三種菩提のうち、仏の菩提に五種を分別して発心菩提・伏心菩提・明心菩提・出到菩提・無上菩提とする。
発心菩提は十信の菩薩が無量の生死の中で無上菩提のために発心することをいい、伏心菩提は十住・十行・十回向の菩薩が諸の煩悩を抑え諸波羅蜜を行ずることをいい、明心菩提は初地以上の菩薩が三世諸法の本末総相別相を観じて諸法実相を得、畢竟清浄なるをいい、出到菩提は八地以上の菩薩が般若波羅蜜の中において方便力を得て般若波羅蜜に著せず一切の煩悩を滅して無生法忍を得、三界を出で仏果に至るをいい、無上菩提は等覚の菩薩が道場に坐して煩悩を断尽し無上菩提を得るという。
これらは菩薩の発心から無上菩提を得るまでに五つの階位を論じたものである。
《『遺文辞典』教学篇「菩提」の項、『広説仏教語大辞典』『新版仏教学辞典』『岩波仏教辞典』「菩提」の項》