高座説教
高座説教
こうざせっきょう
信者大衆より一段高く設けた席で行う説教のこと。
本宗においては高さ四尺五寸、幅四尺四寸、奥行三尺五寸の台を用い、主に繰り弁を入れた説教式を言う。
説教を行う場合何らかの台を使用するのは仏陀以来の伝統であるが、本宗のような高い台の上からしかも儀式にしたがって行う形式は他に例をみない。
同じ鎌倉仏教の禅系、浄土系それぞれ高座を使っての説教を行ってはいるが、本宗ほど高くはなく、儀式もない。
本宗に於てこの形式が確立したのは徳川中期といわれている。
諸本山の出開張が盛んに行われ、各説教師といわれる人々が多数輩出したのと時を同じくしている。
高座は木製で、回りを金襴などで作られた高座掛でおおい、上部を板で押さえる。
経箱、金丸、科註箱などの用具はこの板の上におく。
説教師は香炉を持ち侍者二名(一名が科註箱を持つ)を従えて入場、御本尊に一礼(または焼香)して登高座する。
一応の順序を示すと。
(一)一拝―身業説法の気持での一拝。
(二)開経―経箱のふたを開き、経巻を目八分の高さで拝する。
(三)中啓―中啓、笏を定位置におく。
(四)書物―祖書中の拝読個所を確認。
(五)焼香―(1)天魔波旬の遠離、(2)仏祖の影現、(3)諸天善神の影現を念ずる。
(六)散華―仏を請じ供養する。
(七)願文―香炉を持ち、一拝、願文を唱える。
(八)経文―講題にそった経文を訓読する。
寿量品の文は後座のみ引用するとの口伝之あり。
(九)讃文―(以下各項参照)。
(一〇)唱題。
(一一)説前回向。
(一二)祖書。
(一三)讃歎文。
(一四)呑茶―談義前に一口しめし、同時に心を落つける。
(一五)談義。
(一六)中回向、諷誦文。
(一七)祖伝―竜口は後座のみの口伝之あり。
(一八)説後回向。
(一九)宝塔偈―高座を下りる。
明治初期まで盛んであった高座説教も、明治末期から、大正と下火になり、戦後は高座の無い寺の方が多くなってしまった。
しかし伊藤海聞はじめ多くの先師の努力によって布教院が再開、ここで伝承され、今日に至っている。