開経
開経
かいきよう
(一)法華経の序説にあたる経典で『無量義経』一巻をいう。
『無量義経』は劉宋の求那跋陀羅と蕭齊の曇摩伽陀耶舎の二訳があるが、前者は現存しない。
徳行品・説法品・十功徳品の三品からなり、徳行品には仏の相好と徳行の讚歎、説法品には無量義の法門、十功徳品には仏の十種の不思議の功徳力がそれぞれ説示されている。
なかでも説法品の「種々に法を説くこと方便力を以ってす。
四十余年には未だ真実を顕さず、是の故に衆生の得道差別して、疾く無上菩提を成ずることを得ず」の文は『無量義経』以前の諸経を方便権経とし、まさにこれから説く経典こそ真実経であることを証するものである。
『法華経』序品に「大乗経の無量義、教菩薩法、仏所護念と名づくるを説きたまふ。
この経を説き已って、即ち大衆の中に於て結跏趺坐し、無量義處三昧に入って身心動じたまはず」(「仏大乗経の無量義と名くるを説いて諸の大衆の中に於て、為に広く分別したまふ。
仏此の経を説き已り、即ち法座の上に於て、跏趺して三昧に坐したまふ。
無量義處と名く」〈偈文〉)と説かれていることから、『無量義経』が『法華経』の直前に説かれたものと考えられ、いうところの真実経とは『法華経』を指している。
以上の理由から『無量義経』を『法華経』の開経とし、十巻三段の分科においては『法華経』序品と共に序分に位置づける。
なお『観普賢菩薩行法経』を『法華経』の結経とし、この三経をもって法華三部経とする。
日蓮聖人はこれを「法華経十巻」「十巻の法華経」等と表記し、三経一具して一代三段の正宗分に位置づけられている。
(二)経典を開くこと。
経典をひもとくこと。
《『遺文辞典』教学篇「「開結二経」・歴史篇「開経」の項、『日蓮辞典』「開経」の項》