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神咒

じんしゅ #4314

神咒

じんしゅ

咒は陀羅尼の訳。
能遮能持という。能く障を遮り能く仏事を持すの意。
陀羅尼は惣持・総持と訳す。衆徳を具備するをいう。
咒は明とも訳す。
咒は言をもって神に告ぐの意で、咒陀羅(尼)または陀羅尼咒は梵語と漢語とを重ねたもの。
神咒とは陀羅尼咒の宗要の義が、余りにも奥深く微妙で霊験があるために、凡庸には到底推しはかるができない不可思議を形容した。
この陀羅尼の文句を咒文といい、また修験道、陰陽等の唱えるまじないの文句も咒文といっている。
台の『文句』に、文を訳さないのは、(1)咒は鬼王の名で王を称えるときは、小鬼が畏敬して非を逞くしない。(2)咒は軍中の密言(あいことば)と同じで、その義を知らずともこれを称うれば厄災を除く。(3)口の中で読誦すれば罪障自ら消滅する。(4)咒は諸の密語で行者自身の祈願を成就せんと欲せばこれを称えよと述べている。
『一字頂輪王経』第二に教を信ぜざる人が誦咒の意を諦めるができなくて、咒師を誹謗し、咒法をいつわりの話だといっても、咒は諸仏の説にして虚妄ならずと信念決定せよと説く。
また咒文は人界の語だけでなく、の秘語、鬼類の語があって、六根清浄の聖者でなければ、これを分別することはできないといわれている。
先師は十項目を挙げて陀羅尼咒の功徳を説示し、(1)護持国王安楽人民門、(2)能滅罪障遠離鬼神門、(3)除身心病増長福慧門、(4)凡所求事皆不思議門、(5)利楽有情救脱幽霊門、(6)是諸仏母教行本源門、(7)四衆易修金剛守護門、(8)令凡同仏如来帰命門、(9)具自他力現成菩提門、(10)諸仏如来尚乃求学門、としている。
優陀那日輝(一七九八-一八五九)は、法華経の陀羅尼咒について、(1)蔵陀羅尼大曼荼羅は一切円妙の秘蔵を惣持する。
(2)忍陀羅尼=妙戒は外小権迹の悪を遮し、本門観心の善を持し、久遠の因果を惣持する故に、妙に安住するを得。
(3)咒陀羅尼=本門の題目は九界の悪を遮し、仏界の善を持する本仏所説の神咒なる故に本門の題目とは咒陀羅尼王という。
また「法華のみ名を受持せん者を擁護す」と法華のみ名とは題目である。
(4)諦陀羅尼=一念に三千の諸法を具するに名づけると、四種に分け、更に陀羅尼品神咒鬼病を対治し、普賢咒は特に煩悩の惑乱を防ぐに重点を置く。
鬼病加持するには、身力勇健、音声強富、誦咒捷疾、念力専固で、幾百千遍多誦し、読誦通利といわれる故に暗記して滞りなからしめよという。
法華経には「伺求其短、無能得便」、「若有伺求、法師短者、令不得便」、「使無伺求得其便者」と、行人においては色心二法に亘って一瞬の隙も許されぬから、誦経には自然と熱がこもり、音声は勢い高音となる。
五番神咒を誦するときは「品題」、「五番神咒」、「得無生法忍」と順する。
六番神咒のときは「得無生法忍」と「品題」とは読誦しない。
五番神咒陀羅尼品において、二聖二天鬼子母神十羅刹女の説いた神咒をいう。
薬王勇施菩薩の二聖をもって妙法の二字を表し、毘沙門の二をもって蓮華の二字を表し、鬼子母神十羅刹女をもって経字を表する。
六番神咒は五番神咒に普賢咒を加えた陀羅尼咒をいう。
修法の六句陀羅尼は、陀羅尼品の題名と各咒文の前に二聖二天十羅刹女の名を挙げ、「若不順我咒」の偈文を加える。
《『遺文辞典』教学篇「五番神呪」「六句(ろっく)」の項、『日蓮辞典』「五番神咒」の項》

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