念力
念力
ねんりき
一心に思い込む力。
『諸願成就鈔』(定一九六三頁)に「念力暫くも息まず。是を精進と名づく」とある。
五力(信力・進力・念力・定力・慧力)の一つで、心にそなわっている五根(信根・進根・念根・定根・慧根)のなかの念根の発動する専念力のこと。
他の四力を活動させる原動力となる。
「信力の故に受け念力の故に持つ」(龍樹)といわれる如く、信力の発動によって得た信仰を永続させるには、繰返し繰返し思い続けて忘れない努力が必要で、その精神力が念力である。
『大蔵法数』に、「正道及び助道を念ずるに、若し念根増長すれば則ち能く諸の邪想を破し、一切の出世正念の功徳を成就せん、これを念力となす」とあり、『遺教経』に「若し念力堅固ならば、五欲の賊中に入ると雖も害せられず」とある如く、思想でも主張でも信仰でもこれを持続し進行させることができなければ何らの効果を見ることができない。
修法においても、神仏に祈願する者も修法の行者も強い念力を持つことが要件である。
『観普賢経』に「念力強きが故に我が身を見ることを得ん」とある。
《『遺文辞典』歴史篇「念力」・教学篇「信力」の項》