断迷開悟
断迷開悟
だんめいかいご
回文や塔婆に引用される語彙として用いられる語句で、抜苦与楽、断迷開悟、離苦得楽、出離生死、証大菩提の略。
「仏は一切衆生の為に悲概泣歎し、無辺の矜愛即ち涅槃の楽果を得せしめんが為に出現された」。所謂一大事の因縁の故である(方便品)。
「諸悪莫作諸善奉行自浄其意是諸仏教」(『涅槃経梵行品』第二一)「七仏通誠偈」も八万四千の法門、五千余巻の経典も、要は衆生をして「断迷開悟 離苦得楽」の仏果を成ぜしめんがためである。
「楽を与ふるを慈と謂ひ、苦を抜くを非と謂ふ」(大智度論)。
「抜苦与楽、三界の苦を断じて涅槃の楽果を得せしむ」(涅槃経)。
諸仏は広大無辺の大悲大慈を以って衆生を生滅の苦境から抜済し、無為寂滅の楽を得せしめ、菩薩も亦大慈悲を以て六度を行じ惑染の凡夫を無垢真浄の菩提道に至らしむるといい、域は三途の苦難から解脱の彼岸に到らしめ、人界の憂怖に於て遠離の楽を典ぶるを抜苦与楽と説き「彼は抜苦を明かす、故に驚怖と言ひ、此に与楽を明す故に歓喜と言ふ」(『法華経科註』)。
伝教大師が「能化所化倶無歴劫妙法経力即身成仏(略)」(『法華秀句』巻下)。
日蓮聖人は「断惑証果」と教示(『本尊鈔』定七○七頁)された。
「悪を滅して善を生ず。
悪を断じて善を修る」の文、語は異なるが、出離生死証大菩提のためである。
其中衆生悉是吾子(譬喩品)仏は大慈の力を以て衆生の苦悩を度し涅槃の道を開示し(化城喩品)、大乗の教を開闡して苦の衆生を度脱され(提婆品)日蓮は泣かねども涙ひまなし(『諸法実相鈔』定七二八頁)娑婆即寂光の法都を理想境界とされ不惜身命、況滅度後の仏誡を色読された立正安国の深慮亦ここに在る。
父母成仏、悪人成仏(提婆)女人成仏(竜女)(開目抄)能解一切生死之縛(薬王品)三界の苦を脱し怖畏険道得涅槃楽のためである。