妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

山家学生式

さんげがくしょうしき #1902

山家学生式

さんげがくしょうしき

略して「学生式」。 伝教大師最澄(七六七-八二二)撰、一巻。
法華宗年分学生式」「勧奨天台宗年分学生式」「天台法華宗年分度者回小向大式」の三式よりなり、第一式は弘仁九年(八一八)五月一三日の嵯峨皇への上表、六条から成るから六条式といわれ、第二式は同年八月二七日の上表、八条からなるから八条式といわれ、第三式は翌年三月一五日の上表、四条から成るから四条式といわれる。
『正蔵』七四巻、『伝全』一巻、『日蔵』天台宗顕教章疏一に収録。
三式ともに小乗三戒壇とは別に、比叡山大乗戒壇を独立するための朝廷への申請書である。
六条式は得度の年に梵網戒を授けて菩薩僧となし、一二年間山門を出ることを許さず。 年分者二人のうち一人は止観、他には遮那を習学させる。 満行の後は能言能行者は宝として山門に常住せしめ、能言不能行・能行不能言の者は国師用として地方に派遣し、修池修溝耕荒崩造橋造船殖樹穿井引水、経修心に当てると。
八条式は六条式の敷衍ともいうべきもので、得度の試験法、学生の衣食の資縁、違法学生の処分法、一二年籠山中の前六年は聞慧為正、後六年は思修の二慧為正とすること、学生は生を軽んじ法を重んじて令法久住・守護国家に励むこと、他宗学生の叡山に来て習学する者の取扱い方、卒業生に対する政府の位階の授与、俗別当の検校等の八条を記す。
次に四条式は一に寺に初修業菩薩の住する一向大乗寺、小乗律師の住する一向小乗寺、久修業菩薩の住する大小兼行寺の三あり。 二に寺の上座に文殊を上座とする一向大乗寺と賓頭盧を上座とする一向小乗寺と、両者を共に上座とする大小兼行寺とあること、三に仏戒に十重四十八軽戒を大僧戒とする大乗僧戒と、二百五十戒を大僧戒とする小乗大僧戒とあること、四に仏受戒に『観普賢経』によって不現前の五師を勧請し、現前の一伝戒師によって伝戒する大乗戒と、現前の三師七証を請して受戒し、一師を欠くも得戒できぬとする小乗戒があることを述べ、最後に菩薩は国家の大宝である所以と、菩薩大戒は真俗一貫の戒法であると力説し、この大道を立てて遠く未来までも伝えるために宗式を奉って裁を請うという。
四条式の上表をとして南都僧綱からの反対が起り、それに対して最澄は『顕戒論』三巻を上って答えた結果、最澄滅後七日目に治部省の官符をもって聴許された。
日蓮聖人は『法門可被申様之事』(定四五二頁)等に六条式を引き、最澄真言宗の独立を認めなかった文証とする。

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