一向
一向
いっこう
(1)一つのことがらに専念して他を考えない意。
ひたすら、専一、いちずに。
(2)物事が完全に一つの傾向にある意。
すべて、もっぱら、たいそう、むやみに。
(3)徹底的に、どこまでも等の意がある。
聖人の『教機時国鈔』に「四に国とは仏教は必ず国に依つてこれを弘むべし。
国には寒国・熱国・貧国・富国・中国・辺国・大国・小国、一向偸盗国・一向殺生国・一向不孝国等これ有り。
また一向小乗の国・一向大乗の国・大小兼学の国もこれ有り。しかるに日本国は一向に小乗の国か
而日本国一向小乗国歟」(定二四三頁)、また『法華真言勝劣事』『当世念仏者無間地獄事』『十章鈔』『観心本尊抄』『下山御消息』『実相寺御書』『真言天台勝劣事』『聖愚問答鈔』『真言諸宗違目』等に「一向純円の機・一向に南無妙法蓮華経・一向法華経の機・一向尚事・一向尚理・一向専修の念仏・一向大乗の寺・一向悪人・一向称名念仏の機」等の表現がみられる。
(4)一向宗の略。
《『遺文辞典』歴史篇「一向」の項》