上座
上座
じょうざ
檀林における修学課程の最終学級である止観部の通称。
諸檀林の修学課程は、名目部から始まり、四教儀部・集解部・観心部・玄義部・文句部・止観部に至る天台学重視の課程を修学するように厳しく定められた。
諸檀林とも文句部を中座といい、その上の最終学級である止観部を上座または首座と通称した。
そして上座のうち、五名からなる上座部は講義をする能化の見習で、一老・二老・三老・四老・五老に分かれている。
一老は教授の任に当らず、檀林における庶務学務事項を化主にはかり施行した。
但し関東西谷檀林等は、この一老を玄能としている。
二老は観心部、三老は集解部、四老は四教儀部、五老は名目部の講義をそれぞれ助講すると共に、二老は檀林内普請役、三老は飯台吟味役、四老は掃除役五老は使僧役の責任者を任じた。
この五名からなる上座部は、檀林における経営維持、また学徒の生活行儀指導の推進者であった。
即ち慶長四年(一五九九)から同八年まで、飯高檀林第三世化主として在檀し、同檀林の基礎を固めた心性院日遠が、檀規として制定した「万代不易法律」には、既に「万端上座の下知に随うべき事 但し衆義に及ぶに於いては一往所存を申し、再往は五人の義に任せらるべき事」とし、最終的決裁を上座五名に集約する規制を定めている。
そしてこの規制を含む飯高檀林日遠の「万代不易法律」を基本とし、その指導体制を継承した小西檀林・三昧堂檀林でも全く同様であり、とりわけ身延西谷檀林においては、「万端上座五人の下知に随うべき事」としたあと、更に「若し違犯に於ては永代追放」と一段と厳しい定めとなっている。
これら上座の任期はそれぞれ半年(一夏)で、任期満了後は聖人寺へ住職する資格をもった。
《影山堯雄『諸檀林並親師法縁』》