玄能
玄能
げんのう
檀林の玄義部において『法華玄義』を講義した能化のこと。
檀林の修学課程は、諸檀林とも名目部から始まり、四教儀部・集解部・観心部・玄義部・文句部・止観部に至る天台学重視の課程を修学するように厳しく定められた。
この修学課程の最終学級である止観部を上座と通称したが、そのうち五名からなる上座部は講義をする能化の見習いで、一老・二老・三老・四老・五老に分かれていた。
そして、この上座五名の上に玄能があり、玄義部の教授として『法華玄義』その他を講義した。
ただし関東西谷檀林等はこの一老を玄能としている。
玄能は他檀林から招く場合を除き、上座部の一老である板頭が昇格した。
近世後期になると、玄能の任期は短く、飯高檀林等においては始め一年(二夏)で、のち半年(一夏)となった。
しかし玄能の任期満了と共に、そのまま檀林の化主たる能化に進むことはできず、古参の玄能より次第に招かれた。
関西諸檀林においては玄能退職後、約七年を過ぎて化主として招かれたという。
なお、任期を終えた玄能は檀林化主として招かれると共に、御朱印寺、触頭寺院、諸本寺、諸本山へ晋山する資格をもち、日号・上人号を許された。
《影山堯雄『諸檀林並親師法縁』》