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八葉九尊

はちようくそん #735

八葉九尊

はちようくそん

密教でいう胎蔵界曼荼羅の中胎八葉院の八葉九尊
中央の蓮華の花台上の大日如来を中心として、八弁の蓮華葉上の四仏・四菩薩を合して八葉九尊という。
四菩薩とは、東方の一葉上の宝幢如来、南方の開敷華王如来、西方の無量寿如来、北方の天鼓雷音如来の四仏と、東南方普賢菩薩、西南方の文殊菩薩、西北方の観世音菩薩、東北方の弥勒菩薩四菩薩をいう。
大日如来は法界体性智を表し、他の八尊は中央の大日如来の徳を示すもので、四仏は大円鏡智(金剛智)・平等性智・妙観察智・成所作智の四智を表し、四菩薩菩提心・福徳・智慧・羯磨の四行を表している。
また八葉の蓮華は『大日経疏』によれば、衆生の肉団心を表している。
それによれば、衆生の肉団心は仏・菩薩の住所であり、八葉九尊の住所であるという。
このことは中古天台では盛んに説いて本覚思想を展開する上の一助としている。
日蓮聖人は八葉蓮華が衆生の肉団心を表しているということについて、『日女御前御返事』に「宝塔品の御時は多宝如来・釈迦如来・十方の諸仏・一切の菩薩あつまらせ給ひぬ。此の宝塔品はいずれのところにか只今ましますらんとかんがへ候へば、日女御前の御胸の、八葉の心蓮華の内におはしますと日蓮は見まいらせて候」(定一五一五頁)と述べてそれを受けている。
九尊が肉団心に住むということについてはふれられていないが、釈迦・多宝・十方分身の住所であるといわれている。
また大日如来と八尊については『開目抄』の中で、久遠実成の釈尊と分身仏の関係について述べ、「大日経・金剛頂経等の八葉九尊・三十七尊等、大日如来の化身とは見ゆれども、其化身、三身円満の古にあらず」(定五七一-二頁)と批判している。
ち法華経の教主釈尊はその分身仏・地涌の四菩薩によってその久遠実成が明かされる。
これに対して、大日如来は法身であるが、八尊は三身円満のではないから、その久遠は明かしえないというのである。
《『遺文辞典』歴史篇「八葉九尊」の項》

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