如来秘密神通之力
如来秘密神通之力
にょらいひみつじんずうしりき
仏の智恵及び慈悲の本体と作用を示し倶体倶用の利益をいう。
本宗祈祷利益の中心である。
法華経如来寿量品の冒頭、仏と諸々の菩薩との三誡三請重誡の応酬を終って提示される寿量品総要の一句で、寿量一品の所説はこの一句に摂尽される。
『諸法実相鈔』(定七二四頁)等に出ている。
『御義口伝』(定二六六三頁)、『三大秘法稟承事』(定一八六四頁)、はこの文をもって本門本尊の依文とする。
また本宗の秘妙五段修法加持の擁護段中秘妙五行九字の祈祷肝文でもある。
『法華文句』九に「秘密とは一身即三身なるを名けて秘となし、三身即一身なるを名けて密となす。
又昔説かざる所を名けて秘となし、唯仏のみ自を知るを名けて密となす、神通之力とは三身の用也。
神は是天然不動の理即ち法性身なり、、通は是無壅不思議の慧、即ち報身なり、力は是幹用自在、即ち応身なり、仏三世に於て等しく三身有り、諸教の中に於て之を秘して伝えず」と釈している。
即ち本来如来の身は一身即三身であり、また三身即一身である。
これを秘密といい、またこの本門の爾前権迹に説かざるを秘密という。
真の本有の仏身は一身即三身、三身即一身の仏身で体の三身である。
それより以来世々番々に出す所の垂迹の三身は神通之力であって用の三身である。
五百塵点ないし無始已来・未来際までも常に衆生利益のため応用慈悲の垂迹の三身を示す。
故に十方諸仏は久遠本仏の分身散体であるから諸仏の力はすべてこの如来秘密神通之力に帰一する。
この倶体倶用の利益をいう。
《『遺文辞典』教学篇「如来秘密神通之力」の項》