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御義口伝

おんぎくでん #2126

御義口伝

おんぎくでん

二巻。 伝日興(一二四六-一三三三)記。 弘安元年(一二七八)正月一日(奥付)。
『正蔵』八四巻、『昭和定本日蓮聖人遺文』所収。 『就註法華経御義口伝』・『日興記』とも称する。
元亀二年(一五七一)の古写本(大石寺・要法寺所蔵)のほかに承応三年(一六五四)・享保六年(一七二一)・寛延四年(一七五一)等の板本がある。
日興が日蓮聖人の法華経講義を筆録したものと伝えられているが、実は日蓮・日興に仮した後世の成立であると考えられている。
上巻は法華経の題目と序品から従地涌出品まで、下巻は如来寿量品から普賢菩薩勧発品までと開結二経、および別伝(「廿八品一文充大事」、「廿八品悉南無妙法蓮華経」)からなり、総計二三一箇条(承応本は二二九箇条)の条目を数える。
無作三身の理顕本論を強調するなど観心主義の色彩が強く、中古天台本覚思想の観心思想の影響を受けて成立したものと考えられる。
その内容が興門学の基礎的位置づけをもつことから、室町期の興門における設立とも考えられている。
従来、本書は多くの先師によって、聖人の重要な奥義書として依用されていきた。 とくに優陀那日輝らの観心重視の学匠にとっては、欠くべからざる重要祖典であった。
ところが近年、聖人遺文の文献学的研究や日本仏教思想史の研究が進展するにつれて、偽書説が強まり、執行海秀御義口伝の研究』(『立正大学論叢』第四・七号所収)において偽撰と断定された。 偽撰説はほぼ定着した観があるが、一部の日蓮系団では真撰として取扱っている。
執行海秀御義口伝の研究』、小松邦彰・花野充道『日蓮の思想とその展開』(春秋社『シリーズ日蓮』二)、『日蓮辞典』『日興門流上代事典』「御義口伝」の項、『日蓮聖人大事典』「日蓮聖人の教導(門下育)」の項》

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