昭和定本日蓮聖人遺文
昭和定本日蓮聖人遺文
しょうわていほんにちれんしょうにんいぶん
四巻。
立正大学日蓮教学研究所編。
昭和二七-三四年(一九五二-五九)刊行。
本書は日蓮聖人立教開宗七〇〇年を記念して、所長望月歓厚が監修に当り、鈴木一成を編纂主任とし、一二名の委員が編纂に当った。
『日蓮聖人御遺文』(縮刷遺文、霊艮閣版、明治三七年刊)を底本とし、その成果を継承しつつ、同書刊行後に新たに発見された断簡等を加えた七八○篇について、現存の真筆ならびに古写本・刊本等と対照校合し、著作年代や真偽を勘えて、正篇・続篇・図録・断簡・講記の五輯に分けて、編年体に配列したものである。
更に昭和四三年には新発見の断簡等一一五点を追加した第四巻の増補版が刊行された。
正篇には日蓮聖人の真筆ならびに真撰として扱われてきた四三八篇、続篇には偽撰視される五五篇を収める。
図録篇には門弟教育と聖人自身備忘のために記したと考えられる図表や要文の抄録三六篇、また断簡として完全な姿を伝えていないもの三六五篇を収め、更に講記として聖人の法華経講義の要点を弟子の日向(にこう)や日興(につこう)が筆録したものと伝えられる『御講聞書』(日向記)と『御義口伝』の二書を収録する。
なお第三巻には、第六輯目録として真蹟目録・録内目録・録外目録・編年目録が一九篇収載されている。
本遺文集の本文は、底本(縮刷遺文)・真筆・写本、あるいは底本・写本等による混合本文になっており、また脚注には校異が示されている。
現在までに確認された日蓮聖人の全遺文を収録する本書は、聖人研究ならびに聖人鑽仰における基本的遺文集となっている。
なお、第四巻増補版はその後「改訂増補版」として昭和六三年に二五断簡が新加されて、のちさらに同版第二刷が平成三年、同第三刷が平成十二年に発行されて現在に至っている。
《小松邦彰・花野充道『日蓮の思想とその展開』(春秋社『シリーズ日蓮』二)、『日蓮辞典』「昭和定本日蓮聖人遺文」の項、高森大乗『昭和定本日蓮聖人遺文諸本対照総覧』山喜房仏書林》