四種法身
四種法身
ししゅほっしん
真言宗所立の仏身観。
『瑜祇経』、『大日経』等により弘法大師は『弁顕密二教論』等でこの仏身観を立てた。
自性法身・受用法身・変化法身・等流法身をいう。
第一に自性法身とは諸仏の真身にして、三世常恒に自身の内なる眷属のために三密法門を説く。
これに理智の二身あり、理法身は本有本覚の胎蔵大日(『大日経開題』)、智法身は理に冥合せる智徳を表とする金剛界大日であるが、本来は理智不二である。
第二に受用法身とはこれに自他二別あり、自受用法身とは上の智法身と体同じく、万徳を受用し自受法楽する身であり、他受用法身とは十地の菩薩(他)のために十方浄土に顕現して説法し、受用される。
第三に変化法身とは地前の菩薩・二乗・凡夫のために、浄土または娑婆世界に丈六の仏身を変現化作して三乗教を説き、教化する仏身をいう。
第四に等流法身とは九界の衆生を度するために、その性欲に応じて菩薩・二乗・天竜八部等の身を現じて教化する身にして、等同流類の身であるから等流身と名づける。
四身説は『仏地経論』七、『成唯識論』一〇等にもあるが、四身を法身大日の一身の入出に外ならないと見るところに真言宗の独自性があり、仏の酬因得果よりも法身の働きに重点を置いた仏身観である。
台密では四種法身説を五大院安然が採用して台密教学を一層多彩にした。
即ち『教時義』等では等流法身に六道の衆生を収めて、十界の迷悟ともに本来一仏であると説くのがそれである。