講習会規程
講習会規程
こうしゅうかいきてい
講習会とは新知識を研究しこれを習得する会のことであるが、ここにいう「講習会規程」とは宗務院が所属の布教師、住職その他一般教師僧侶のために開く講習会の規則のことである。
即ち大正六年(一九一七)「布教条例」を改正し、その中に講習会の一章を設け、管長が布教師を召集して講習会を開くこと、及び各教区においては毎年これを開催すべきことを規定し、その具体的な実施方法として別に講習会規程を制定した。
この規程は教区が主体となって開く地方講習会に関するものであるが、宗務院が主催する中央講習会については詳細な規程がないので、ここに地方講習会の規程を要約して記すことにした。
まず第一条に「教師の学解を啓発し信念を増進し、布教及社会事業を発展助長せしむる為、毎年一回七日間以上、地方枢要の地に於て教区聯合講習会を開催す」と定め、第二条に講習科目を挙げている。
(一)教義大意(本尊綱要、宗意安心)、(二)余乗梗概(一般仏教、神道、耶蘇教義等)、(三)哲学綱要(一般宗教学、心理学、社会学等)、(四)国法要義(法制・経済学等)、(五)思想概説(内外思想大観等)、(六)社会教化(青少年教化法)、(七)慈済公益(防貧、救済、地方農事改良、衛生等)、(八)法式練習(各種法要式等)である。
次に講師として当該もしくは隣接地方庁長官の助勢出講を請い、各種の教育資料を要求して講習会員に提示するよう規定している。
こうして講習会会期中に該地の布教及び社会事業に関する協議会を催し、その更改発展を図ること。
地方隣接寺院住職及僧侶は己むを得ない場合の外、講習会に出席するよう定めている。
布教監、録司(現在の宗務所長)及び地方職員は共に奨励監督の責に任ずる。
宗務院としては臨監出席、講習証書授与、講習会開催に対する補助金交付等を規定し、開催手続については期日、場所、講師講題、講習会会員予定数、聯合教区責任者、講習会々員宿泊所及其待遇方法等を併記して申請、終了後これら事項についての実行報告書を作成、収支決算を添付して提出することになっている。
次にこの規程の変遷について略説すると、まず第一に講習会の名称は、大正六年第一回講習会開催の時宗務院は単に布教講習会の名をもつて告示し、同九年第四回において規程には無かったが中央布教講習会の名称を使用した。
地方主催のものについては布教区画の変更等により管区講習会、教区聯合講習会、管区聯合講習会、と推移した。
昭和一六年(一九四一)『宗制』の変更により、教師の養成及教養の機関の条項中に「布教講習会」の章を設け「教師ニ必要ナル専門及一般知識ヲ啓発シ、布教及修養ニ資スル為、管長ハ通常毎年一回、布教師修法師其ノ他ノ教師ヲ招集シ、中央布教講習会ヲ開催シ、各宗務所及ビ開教監督ヲシテ毎年一回以上地方布教講習会ヲ開催セシム。
地方講習会ハ、二管区以上連合シテコレヲ開催スルコトガデキル」により、初めて中央地方の別が規程に判然とされた。
現行『宗制』においては再び中央講習会の名称字句が無くなり、「布教規程」第一三条「専任布教師の練磨、時機相応の布教活動を推進するため、布教研修を行う。
専任布教師の布教研修は、毎年一回適当なる地域に開催する。
期間及び会場は、開設にあたり告示する」の条項がこれに該当するものとなった。
地方講習会については「布教師養成規程」第一八条第一九条に「各管区の教師の教養を昂め、時代に即応した地方布教を行うため、毎年一回、宗務区に地方布教講習会を開催する。
地方布教講習会の会期は三日とする。
但し、延期することができる」とし、講習科目を掲げている。
《『日蓮宗法規』(大正一二年昭和八年版)、『日蓮宗宗制』昭和二七年施行、『現行宗制』》