布教師
布教師
ふきょうし
現行『宗制』(昭和五三年現在)によれば、日蓮宗の布教師は常任布教師と専任布教師の二つに分れる。
前者は多年布教に経験があって、しかも堪能な権僧正以上の教師のうちから宗務総長が任命する。
後者は日蓮宗布教院を修了した者、および布教に実績のある者のうちから宗務所長の推薦によって宗務総長が任命することになっている。
常任布教師は宗務総長が指定した地域に特派という名称を用いて出講する。
この場合特派布教師という。
専任布教師は宗務所長の指示に基づき、管内で随時布教を行うことになっている。
海外で行う布教の場合はこれを開教布教といい、これを行う者を開教布教師と呼ぶ。
開教布教師は布教に経験のある教師の中から宗務総長が任命することになっている。
現行宗制以前には海外布教師とか開教地布教師といった。
布教師の養成については、現行宗制は「布教師養成規定」を定め、それによって毎年養成に努めている。
時代即応の布教を行うため、また必要な理論の研究および技術指導を行うため、「養成規程」第一条日蓮宗布教研修所を開設している。
研修期間は六カ月。
更に布教に必要な行儀、技術を体得錬磨するため、「養成規程」第一三条日蓮宗布教院を開設している。
この開設期間は二週間以上。
加持祈祷の修法も広い意味における布教行為であるが、これは修法師でなければ行うことができない。
修法師は日蓮宗加行所において、一〇〇日間の加行を満了してその資格を取得する。
また「社会事業規程」第一条に、寺院や僧侶は社会教化事業または活動を行わなければならないとなっているが、この方面に特に堪能な教師を宗門は社会教導師に任命して指導に当たらせている。
この社会教導師は日本福祉大学、並びに日本社会事業大学の課程を修了した者、または社会教化事業および社会教化活動に経験を有する教師、並びに児童の教化指導に堪能な教師の中から選ばれることになっている。
これも広い意味における布教師といえる。
現行『宗制』では、宗務所管区ごとに布教師会を組織して布教実動に当たっている。
昭和の初頭には軍隊、軍港、工場、または刑務所等に駐在布教師が置かれ、常例布教をしていた。
特に鉄道関係で専門的に布教することを使命とした鉄道布教師なるものもあった。