僧侶
僧侶
そうりょ
僧とは梵語「僧伽・サンガ」の略語であり、訳して和または衆という。
「四人以上の比丘、和して衆となす」と解説されている。
智度論には「多比丘、一処和合是僧伽と名く」と。
侶とは「つれ、同類」の意味である。
これら解釈を総合して和合僧ともいわれ、宗門においては僧侶は常に檀信徒を教化し、和合協力して宗風宣揚に精進しなければならないとその職務を規定している。
その制度としては明治初年以来剃髪得度の者を僧侶と称していたが、同三〇年(一八九七)の宗規において教師、教師補、沙弥を僧侶と規定し、剃髪得度の者を沙弥とした。
以上の規程は第二次世界大戦後まで施行されていたが、まず僧侶となるのには師を定めて入門し徒弟となる。
仏事修行、依経通読を得て剃髪得度、度牒試験を受けて沙弥となり、法籍に編入される。
得度後三年を経過し僧名に改称(改名)その間修学、または検定試験を受け、それぞれ程度相当の教師称号、教師試補称号を授与された。
教師称号は一〇等級、教師試補称号は四等級あったが、のち称号は僧階と改称され階級も教師一二等級に増加、教師試補は補導准補導の二階級に更に補導補教の二階級に減じた。
こうして何れの僧階に敍せられる場合においても新敍の際は昭和一二年(一九三七)以後信行道場または補教信行道場の修練を受けることになった。
これら僧侶の履歴はその他の経歴を併せて僧侶法籍簿に登録され、宗務院及び宗務所に保管される。
なお僧侶は宗門の一員としてその運営資金(宗費)を負担しなければならない。
宗費賦課徴集規則によれば度牒礼祿、法籍編入料、検定試験義納、僧階義納(僧階敍任以後毎年)、住職義納(住職する場合)、修法師義納(加行する場合)その他臨時特別賦課の場合がある。
現行の宗制においては日蓮宗々憲第六〇条に、本宗の僧籍に編入せられた者を僧侶といい、これを教師、教師補及び沙弥に分ける、と規定せられている。
本宗では僧侶を志す者はまず師僧(教師に限る)について徒弟となり、僧風の教養を受け修行をなし、あるいは僧風林に入林修行した後師僧により得度を受ける。
得度を済ませた者は宗務総長に得度届を提出する。
得度届を受理した宗務総長は本人に度牒を交付する。
度牒を下付された者は僧籍に編入され身分としては沙弥となる。
僧籍のある者は宗務所長の承認を得て改名する。
但し僧名にふさわしい者は、宗務所長の承認を得て襲名することができる。
改名を終えた者は(1)教師補試験に合格すれば教師補となり補導の僧階を授與せられ、(2)普通試験、高等試験(それぞれ甲種、乙種の二種がある)に合格するか、または相当する学歴を有するときは、教師資格が与えられそれぞれ相当の僧階が新敍される。
但し年齢満二〇歳以上で信行道場の課程を終了することを要する。
教師、教師補で現在も過去にも住職、担任、教導を未だ経験したことのない者を修徒という。
僧侶のうち左の者は僧籍を削除され僧侶の身分を失う。
(一)死亡した者、(二)還俗した者、(三)転宗または離脱した者、(四)失踪の宣告を受けた者及び行方不明届出後三月経過した者、(五)師僧が離宗した徒弟で新師僧を定めて宗務所長に届出ない者、(六)師僧及び僧籍のある寺院が離脱した時あるいは僧籍のある寺院、教会または結社が解散もしくは廃止されたとき修徒は、三月以内に新しい僧籍を定めて宗務所長に届出ない者。
《『広説仏教語大辞典』「僧侶」の項**、牧口泰存・増田海円『現行日蓮宗法令』(明治三八年版)、『日蓮宗法規』(昭和八、一六年版)「宗制施行細則」》