沙弥
沙弥
しゃみ
sāmaṇera(パーリ語)śrāmaṇera(サンスクリット語)を音訳したもので、一人前の僧となるまえの弟子を意味する。
『阿毘達磨倶舎論』は不殺生、不偸盗、不婬欲、不妄語、不飲酒、不塗飾香鬘、不歌舞観聴、不坐高広大牀、不非時食、不蓄金銀宝の十戒が沙弥に課せられていたことを示している。
大乗は形ではなく心を大切にするから十戒を課してはいない。
『法華経』化城品には、大通智勝如来(Mahābhijñājñānābhibhū)に一六王子があり、この王子らが「出家して沙弥」となったことを語っている。
この一六の沙弥はやがて修行をつんで『法華経』を聞いて仏となり、十方の国においてそれぞれに教えを説いたというが、その沙弥たちの中の一六番目の沙弥が、今の釈尊で、娑婆(人間)世界で法を説いているのだとされている。
《『遺文辞典』歴史篇「沙弥」の項、『岩波仏教辞典』「沙弥」の項》