社会教化事業
社会教化事業
しゃかいきょうかじぎょう
社会教化事業は、宗教的な社会教育ということができる。
宗派・教派の立場に立った社会的な啓蒙でもある。
その手段は言論・出版・施設・視聴覚・音曲等あらゆる教育的方法によって効果を高めることができる。
教化は一種の人間づくりであり、布教伝道につらなるものであって、生きゆく人間の宗教的な正しい在り方を教示することを目的とするのである。
この事業は、その活動によって社会性をもつものであるが、宗教者の立場に立って、信仰への道を開く事である。
その活動領域はきわめて広い。
例えば幼稚園・保育園に於ても、前者は学校教育法、後者は児童福祉法による施設であるが、ともに幼児の保育を通して宗教的な情操を養うことができ、父母学級などの教育活動によってもまた「教化」することができるのである。
刑務所・少年院等に於ける教誨活動もまた社会教化の重要な一面である。
日蓮宗では「日蓮宗規定」第一六号に於て「本宗の寺院、教会並びに僧侶は、社会教化事業又は活動を行わなければならない」と規定し、その活動の目標として「(一)厚生、民生に関するもの (二)教誨、更生保護、補導に関するもの (三)社会教育に関するもの (四)里親に関するもの」を挙げている。
なお日蓮宗社会教化事業協会連合会があり、社会教化事業全般にわたり、その全国的連係をはかっている。
全国日蓮宗の社会教化に資する施設は保育所、幼稚園、書道教室、心配事相談室、音楽教室、子供会、老人ホーム、養護施設、児童遊園地、その他謡曲、和洋裁、美術、舞踊、公民館剣道教室等多岐にわたり、広範な活動が行われている。
なお不特定多数を対象とする掲示板活動、葉書伝導等もある。
近代の歴史を回顧すると、身延深敬病院(綱脇龍妙)は明治三九年(一九〇六)に創設され、京都子守学校(中村寛澄)は同四〇年、実費診療所(加藤時次郎)は同四二年に開設されているのも特筆すべきであろう。
宗教にとって、その社会教化活動はその宗教的歴史的生命の重要な試金石である。