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保育

ほいく #623

保育

ほいく

保育とは保護育成の意味であり、その対象は未就学の幼児である。
その関としては幼稚園保育所その他乳児園、季節児所等がある。
幼稚園は学校教育法、保育所は児童福祉法に準拠している。
保育の内容計画等は、幼稚園は「幼稚園教育要領」、保育所は「保育指針に依っている。
昭和五〇年(一九七五)現在では私立幼稚園は全国で七七九八園あり、私立保育所は五一〇〇余を数えている。 そのうち関係の施設は幼・保と合して四三〇〇余である。
宗教法人殊に仏教系は日本の保育に貢献するところ多大であるが、戦後において目ざましい発展を示している。
戦前には民保育業は殆どキリスト教系によって占められている感があったが、今日では逆転して系の占める位置と力は絶大なものがある。
保育宗教法人の場合は(宗法立園が学法化あるいは社法化しても)布教伝道の場とし、その各宗の教えによる宗教保育が推進され、幼児の段階に於て、その宗教の開発が重要な目標とされている。
宗教保育は現実的には「宗派保育」にならざるを得ない。
仏教保育あるいは宗教保育と一概に言っても、その設立法人の属する宗派の開祖の遺法と精神が指導原理となるは必定である。
仏教保育、キリスト教保育、神道保育などと言われているが、その内容は極めて多岐である。
従来、宗教と教育との関係については、一般的に情操の涵養ということが言われているが、昭和二三年七月に教育委員会から提出された建議文に「宗教心に基づく敬虔な情操の涵養は、平和的文化的な民主国家の建設に欠くことのできない精神的基盤の一つであり、殊に人間性の重要な一面たる宗教的欲求を正しく啓培することは、育本来の使命にも沿うことにもなるのである」と述べている。
そうした意味でも宗教保育は、宗教情操の涵養と解する方向が定着しているようである。
教関係では社団法人日本仏教保育協会があり、各宗各派の施設一三三九園を統合している。
その仏教保育綱領として、
 ―慈心不殺―生命尊重の保育を行おう。
 法―仏道成就―正しきをみて絶えず進む保育を行おう。
 僧―正精進―よき社会人をつくる保育を行おう。
と定め、保育のねらいと使命を明かにしている。
幼稚園教育要領」においても、その「指導および指導計画作成上の留意項」で「豊かな情操の芽ばえをつちかうにあたっては、情緒の安定を図るとともに、幼児の生活の各方面にわたって、すぐれたもの、美しいもの、心を打つものなどにふれさせ、感じたことや思ったことをのびのびと表現する機会を多くもたせるなど適切に指導し、豊かな感情や感受あるいは敬けんな気持などの発達を促すようにすること」を示している。
ここにいう留意項は保育計画一般をつらぬくものであり、特に敬けんな気持は宗教保育に深い関係のあるものと思われる。
日蓮宗の保育施設は、昭和四六年一〇月現在、幼稚園はおよそ七四、保育所は約九五を数え年々漸増しつつある。
昭和三五年八月、日蓮宗保育連盟が発足し、既に二〇年を経過している。
昭和四六年に『日蓮宗保育必携』を刊行し、日蓮宗保育の理念と実践について、その大綱を明らかにした。同書に於て宗教保育者の教育(保育)の基本的な留意点として次の四項をあげている。
 (1)神やを尊敬し、畏敬の念をもたせ神やや現在の生活に対して感謝の気持をもたせる。
 (2)自他の生命、動植物の生命を尊重し、生命をもつものに愛情をもたせる。
 (3)自分の欲求や感情をおさえ、すなおな純粋な気持をもたせ、不幸な人を気の毒に思い助けてあげたい気持をおこさせ、行動のできるようにさせる。
 (4)他の宗教の考え方価値等について尊重し、それに寛容な態がとれる様にすることがのぞましい。
これらの留意項が示している如く、保育は幼児の段階において人間の宗教性(仏性)の芽生えを養う使命を負うものである。
《全青少年教化協議会『教の人間像』、『日蓮聖人の人間像』、日蓮宗保育連盟日蓮宗保育必携』、『六法全書』、増谷文雄『現代青少年の宗教意識』》

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