布教条例
布教条例
ふきょうじょうれい
明治三六年(一九〇三)に定められた日蓮宗僧侶のみによる布教の種類と規定のこと。
明治一九年一〇月二三日に告達された「本宗教師ノ分限ニ非ル者、寺院ニ於テ濫リニ仏教演説ヲ為ス可ラザル件」を参照し、同三六年一〇月一五日、「宗則」第五号・「布教条例」が定められた。
本条例は総則を含め、親教・特派・認可・通常の四種の布教条例で、五章・全二三条・五項をもって条文規定されている。
総則では布教事務は宗務院が総轄し、各教区の布教事務は地方の録司に任せ、「随機応縁常に宗義を講演し信徒を勧誘す」と謳っている。
親教は管長が一教区もしくは数教区巡化し、管長の前講(座)は僧都以上の僧階を有する教師一名の随行を必要としている。
特派布教は宗務院が必要と認めた時、または地方寺院信徒の請願によって派遣された教師をいい、特派布教師は地方布教師の状況視察、地方教会の成否と信徒の状況観察、寺檀の紛争ある場合の解決等の任が定められ、地方布教の状況を詳細に記した復命書を管長に提出するとある。
認可布教では、教師の管内布教は地方録司を経由して管長の認可を受けるものとし、修法布教祈祷、海外布教も録司経由の認可を必要としている。
通常布教では、各寺院住職は一ヵ年に三回以上の布教を開くものとし、地方録司は教区内での布教の成績と信徒の状況を調査し、一ヵ年ごとに宗務院へ具状すると定めている。
以上の布教条例は昭和六年(一九三一)六月に改正された。
即ち第一章総則(六条)、第二章管長親教(一条)、第三章内地布教・第一節特派・並駐在布教(一一条四項)、第二節管区布教(七条二項)、第四章巡教監(四条四項)、第五章開教地布教(一一条)、第六章海外布教(一〇条)、第七章布教院(一条)、第八章講習会(二条)、第九章補則(四条)等の九章、五七条八項から成っている。
《牧口泰存・増田海円共編『現行日蓮宗法令』(明治三八年版)、『日蓮宗法規』(昭和六年版)》