自誓受戒
自誓受戒
じせいじゅかい
自ら誓って戒を受けること。
権大乗の受戒の際、千里のうちに五徳を具し菩薩戒を師資相承した戒師がいない時は仏前において自ら誓って菩薩戒を受ける。
この場合、夢中に妙相を見ることによって得戒の証とする。
実大乗の受戒は仏を戒師として自ら誓って戒を受ける。
即ち迹門受戒は釈尊を和尚、文殊師利を羯磨阿闍梨、弥勒を教授阿闍梨とし十方諸仏を同証、法華経列座の大衆を同伴として自誓受戒する(『顕戒論』『学生式問答』)。
本門の受戒についての教示は信頼される日蓮聖人遺文に見い出すことはできないが、『授職灌頂口伝鈔』(定八〇〇-五頁)『本門戒体鈔』(定一七二二頁-九頁)によると、久遠実成の釈尊を戒和尚、多宝如来を羯磨阿闍梨、上行菩薩を教授阿闍梨とし、十方分身諸仏を同証、文殊・普賢以下九界を同伴として自誓受戒するとある。
江戸後期に出た本妙日臨(一七九三-一八二三)は総戒は妙法五字、別戒は妙法五字に具有する諸戒であるとし、別戒受持、助行分修を主張した。
日臨の著『本門自誓受戒作法草案』(『本妙日臨律師全集』一一八頁)には「先道場随分尽力可荘厳之。
次本尊者為二」として本尊の相を示している。
第一には妙法を戒体、釈尊を戒師、上行菩薩を伝戒師とするもの、第二は妙経全体を戒体、釈尊を大和尚、文殊師利菩薩を羯磨師、弥勒菩薩を教授阿闍梨とするものである。
第一は神力品を本拠とする本門戒の本尊、第二は普賢経を本拠とする迹門戒の本尊である。
以下、先師の諸説をあげ、受戒の日時・作法・廻向文等を具体的に述べている。
《『遺文辞典』教学篇「自誓受戒」の項》