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五性各別

ごしょうかくべつ #439

五性各別

ごしょうかくべつ

衆生が先的に具えている素質に五種あるということ。 この素質をという。
主として唯識学派・法相宗で唱える義である。
は五姓、五種姓ともいい、(1)声聞種姓、(2)独覚種姓、(3)仏種姓(如来種姓・菩薩種姓)、(4)不定種姓、(5)無種姓をさす。
(1)は必ず声聞の菩提たる小乗の阿羅漢果を得るべき素質であることが確定しているもの、(2)は必ず独覚(縁覚)の菩提たる小乗の果を得るべき素質であることが確定しているもの、(3)は大乗果としての無上菩提を得て仏になるべき素質が確定しているものであって、この三を定性種姓(確定した素質)と称する。
これに対し、(4)は以上の三種の素質が確定していないで、修行の方法によっていずれにも変化する可能のあるものをいう。
(5)は以上のどの素質をも有せず、永久に悟ることのできないものをいう。
の区別を説いているのは『楞伽経』、『仏地経論』、『成唯識論』等である。 五をまとめて説いてはいないが、実質的に五の区別を立てているのは『瑜伽経論』『大乗荘厳経論』『摂大乗論』等である。
の区別が究極的に決定的なものであるとすると、声聞種姓と独覚種姓と無種姓とは永久に成仏しえないことになり、一切衆生に仏性ありというえと齟齬することになる。 しかし究極的に決定的なものではないとすると、五の区別は方便として立てられたえにすぎないということになる。
楞伽経』は五性を説いているが、究極的には一切衆生が成仏すべきことを説いているから、方便としての説であると認められる。
瑜伽論』『大乗荘厳経論』『摂大乗論』等の所説は、いずれに解すべきか学者の意見は一致していない。
『成唯識論』及びそれに基づく法相宗の教義においては、五の区別は究極的に決定的なものとされている。
従って法相宗は、仏種姓と不定性の中の一部のもののみが成仏し、他は成仏し得ないものであると主張し、一切衆生の成仏を説く天台宗華厳宗などの一乗とのに、激しい論争を巻き起した。
《常盤大定『仏性の研究』、『遺文辞典』教学篇「五性各別」の項、『岩波仏教辞典』「五性各別」の項

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