妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

瑜伽論

ゆがろん #4131

瑜伽論

ゆがろん

一〇〇巻。
具名は『瑜伽師地論』。
弥勒菩薩説。
玄奘訳(六四七-六四八)。
サンスクリット名はヨーガーチヤーラブーミ(Yogācārabhūmi)。
五分から成り、第一の本地分(第一-五〇)は三乗の実践的教学を一七地の段階として論じ、第二の摂決択分(巻五一-八〇)では本地分中の要義を解明し、第三の摂択分(巻八一-八二)では諸経の儀則を解釈し、第四の摂異門分(巻八二-八四)では経中の諸法の名義を解釈し、第五の摂事分(巻八五-一〇〇)では三乗中の要義を解釈する。
五分のうち中心的な部分は本地分であるが、これは次の一七地から成る。
(一)五識身相応地、(二)意地、(三)有尋有伺地、(四)無尋唯伺地、(五)無尋無伺地、(六)三摩呬多地、(七)非三摩呬多地、(八)有心地、(九)無心地、(一〇)聞所成地、(一一)思所成地、(一二)修所成地、(一三)声聞地、(一四)独覚地、(一五)菩薩地、(一六)有余依地、(一七)無余依地。
一七地のうち菩薩地の部分は、別出されて流布し、これに対する異訳として『菩薩地持経』(一〇巻、曇無讖訳)『菩薩経』(九巻、求那跋摩訳)が存する。
瑜伽論』は唯識学派(別名・瑜伽行派)の根本典籍であって、おそらく成立もこの学派の論書の中で最古のものであり、阿頼耶識縁起説、三三無など、唯識説の基礎的な論はすべてここに提示されている。
また共三乗の立場に立って大小乗義を総合的に組織している。
日蓮聖人は法華経と日本国の関係を論ずる時「瑜伽論に云く、東方に小あり。
其の中、唯大乗の種姓のみあり」の文をしばしば引用するが、この文は現行の『瑜伽論』には見出せず、安然の『普通広釈』からの子引と考えられる。
《『一』経瑜伽部一-六、宇井伯寿『瑜伽論研究』、『遺文辞典』歴史篇「瑜伽論」の項、『大蔵経全解説大事典』「一五七九・瑜伽師地論」の項、『仏書解説大辞典』「瑜伽師地論」の項、『岩波辞典』「瑜伽師地論」の項

← 事典トップ