楞伽経
楞伽経
りょうがきょう
いわゆる『楞伽経』と呼ばれるものに三訳がある。
初訳は劉宋元嘉二〇年(四四三)、求那跋陀羅が丹陽郡祇洹寺において訳出したもので『楞伽阿跋多羅宝経』と題して、四巻本、通商「四巻楞伽」ともいう。
次いで第二訳は北魏延昌二年(五一三)、菩提流支が洛陽永寧寺にて訳出したもので『入楞伽経』といい、一〇巻本。
そして第三訳は唐長安四年(七〇四)、実叉難陀の訳によるもので『大乗入楞伽経』と称し、七巻本。
以上三訳の他に曇無讖も『楞伽経』を訳出したという記録が『歴代三宝記』にあるが、これは四巻本であったという。
また西蔵蔵経中にも二本があり、共に法成が漢訳より重訳せるものという。
本経は仏が楞伽山に入りて説きたまえるものであって、三界唯心の理を示すことを主としている。
三訳のうち第二訳たる十巻楞伽には、総じて一八品あって、一に請仏品、二に問答品、三に集一切仏法品、四に仏心品、五に盧迦那陀品、六に涅槃品、七に法身品、八に無常品、九に入道品、十に問如来常無常品、十一に仏性品、十二に五法門品、十三に恒河沙品、十四に刹那品、十五に化品、十六に遮食肉品、十七に陀羅尼品、十八に総品となっている。
ここにおいて五法・三性・八識・二無我らの法を説き、如来蔵仏性の理に修入すべきことを明かしている。
本経は法相宗正依六経のうちの一つに数えられ『大乗起信論』は恐らくこの経を依拠として作成されたものと考えられ、中国の禅宗においてもまた重視せられ、菩提達磨が四巻楞伽をもって、慧可に付嘱せしめたといわれている。
本書には註書多く『入楞伽経疏』五巻、菩提流支自翻自講。
『入楞伽心玄義』一巻、唐法蔵。
『楞伽経玄義』一巻、明智旭などがある。
《『大蔵経全解説大事典』「一六七〇・楞伽阿跋多羅宝経」「〇六七一・入楞伽経」「〇六七二・大乗入楞伽経」の項、『大乗経典解説事典』「如来蔵・唯識部」、『仏書解説大辞典』「楞伽阿跋多羅宝経」「入楞伽経」「大乗入楞伽経」の項、『岩波仏教辞典』「楞伽経」の項》