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往生要集

おうじょうようしゅう #2080

往生要集

おうじょうようしゅう

三巻。 源信恵心僧都=九四二-一〇一七)撰。 寛和元年(九八五)著述。 『恵心僧都全集』一巻所収。
本書は源信念仏の一門によって、数多の経論の中から特に「往生極楽」に関する要文を選集したものである。
源信は仏教伝来以来四〇〇年余を経た濁世末代の目足となる教えは、往生極楽の教行の外になく、道俗・貴賤・上下を問わず帰依しうる教行は、ただ念仏の一門のみであるとの信念から、易行の念仏に関する要文一一二部・六一七文を選集したのである。
その内容は、(1)厭離穢土、(2)欣求浄土、(3)極楽証拠、(4)正修念仏、(5)助念方法、(6)別時念仏、(7)念仏利益、(8)念仏証拠、(9)諸行往生、(10)問答料簡の一〇門に分けられる。
(1)-(3)は念仏信仰の根本を明かし、娑婆の厭うべきことと浄土の欣うべきことを示し、極楽を唯一の志向すべき所と定める。
(4)-(9)の六門は正しく往生業因を明らかにしたもので本書の中心をなす。
(10)は一〇項目について問答をもって所説を明確にし念仏の最勝を示す。
本書は教界だけでなく、広く思想界・文学・芸術等に影響を与えたが、特に浄土信仰に甚大な影響を及ぼし、法然浄土宗開創の縁由となった。
また寛和二年に本書を中天台山へ贈ったところ、結縁の僧俗男女五〇〇余人は随喜し、五〇間の廊屋を造立寄進し礼拝讃嘆したといい、中へも影響の及んだことを知る。
日蓮聖人は、本書の念仏を「菩提心観念の念仏を以って最上と為す」と評し、本書を法華誘引の書と規定し(定一〇四頁)、佐前の浄土教批判では源信源空から切離していた。 しかし本化の自覚に基づく日蓮法華学の確立後は、日本国一同に念仏者となり、法然浄土教が国を滅ぼす原因は、本書に発すると批判し(定一〇四七頁)、源信を法華経・伝教大師の師子身中の虫と糾弾している(定一〇五一頁)。
《『遺文辞典』歴史篇「往生要集」の項、『大蔵経全解説大事典』「二六八二・往生要集」の項、『日蓮辞典』『岩波仏教辞典』『仏書解説大辞典』『国史大辞典』二巻「往生要集」の項》

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