坐法
坐法
ざほう
坐法には胡跪、長跪、正坐、蹲踞(そんきょ)、結跏趺坐、半趺坐、などがある。
胡跪は西域胡国の人達の坐り方に似ているところから名付けられたもので、左膝を立て、右膝を地に着けた姿勢のことである。
別名を互跪(ごき)ともいう。
これは左膝と右膝が交互になる坐法ということから名付けられたものである。
また、胡跪の姿勢を特に厳重にした法に「三処翹聳」と呼ばれるものがあるが、これは左膝を浮き起し、右足は爪立てて膝を地に着け、右の股(もも)左の膝、臀の三処が地に着かぬようにするもので、釈尊のご命令があれば即時に起たんとする意を表するのであるという。
長跪は両膝を地に着け、両足を爪立て、上体を真直にのばして踵の上に臀をのせた姿勢のことで、起原は釈尊が尼衆のためにゆるされたものだと伝えられているが、本宗では、長跪合掌は礼拝の基本姿勢として常に用いている。
正坐は常の坐法で、両膝頭を少し開き、両足の拇指を重ねて、頭頂で天をささえる気持で坐し、眼は前方およそ五(メートル)程の所に注ぐ。
なお、式衆その他の役として法席にある場合には、正坐の時も手の位置は鳩尾の変で叉手、あるいは合掌である。
蹲踞は、両膝を屈して、なおかつ両膝、両踵ともちに着けない形で、相撲の仕切り前の姿勢と似た形である。
次に、結跏趺坐は、左右の足背を交結して左右の坐上に置く坐法で、これに降魔坐、吉祥坐の二種がある。
降魔坐とは、まず、右足を左の股の上に按じ、左足を右の股上に按じ、手も同じく左を上にするもので、曹洞宗の開祖、道元の『普勧坐禅儀』に説く坐法はこれに相当するものであり、吉祥坐は、手足の組み方が降魔坐と反対である。
なお、仏・菩薩・諸天・明王等の形像は坐相としては吉祥坐につくり画かれたものが多く、『慧琳音儀』八にも「如来、昔、菩提樹下に在りて、正覚を成ずる時、身は吉祥の坐に安じ、手は、降魔の印を作す」と記しているが、この場合の降魔印は、単に右掌の上に左手を重ねる形のことではなく、右手の指先で地面に触れる形(触地印(そくじいん))の意であるが、広義に解釈すれば右掌の上に左手を重ねる形も降魔印といえる。
そして、この坐法及び手の組み方は、天台大師智顗の『天台小止観』に説くところと一致している。
また、半趺坐は、左右いずれかの足のみを曲げて股の上に安ずる坐法である。
《秋山正美『仏像の印相をたずねて』、沢木興道『坐禅の仕方と心得』》