印相
印相
いんぞう
印契・密印・契印・手印または単に印ともいう。
仏・菩薩のさとりの徳を手指で象徴するしるし。
また密教の曼茶羅海会の諸尊がおのおのの内証の三昧を外相として手上に種々の形で表示することをいう。
手指の結び方により印相には多くの種類があるが、十二合掌と六種拳、((1)蓮華拳(2)金剛拳(3)外縛拳(4)内縛拳(5)忿怒拳(6)如来拳)を総称して印母(いんも)と呼び、すべての印契の根本とする。
一行の『大毘慮遮那成仏経疏』には、「十二種の合掌の名相を説く。
凡そ諸印法に此の十二極要にして宜しく明記すべし」(『正蔵』三九巻七一四頁)とあり、多種多様の印相の中で一二種の合掌印を極めて重要な印相であるとしている。
一二種の合掌印とは、(1)堅実心合掌(2)虚心合掌(3)未開蓮合掌(4)初割蓮合掌(5)顕露合掌(6)持水合掌(7)帰命合掌(8)反又合掌(9)反背互相着合掌(10)横柱指合掌(11)覆手向下合掌(12)覆手合掌 以上一二である。
日蓮聖人は『真言見聞』に「法華経には為説実相印と説て合掌の印これあり」(定六五四頁)と示し、合掌印を以って諸法実相を領納した、すなわち法華経の諸法実相を事相に表わした印であるとしている。
日蓮宗の法要式では、「十指及び両掌、間隙なき様親密に合著し、胸間に安じ、その相不緩不急」(日輝『充洽園礼誦儀軌』)であることがその基本的姿勢であり、その印相は、十二合掌では(1)堅実心合掌に相当し、諸仏諸尊を礼拝する七法(胡跪・瞻仰・合掌・起立・称名・運想・伏拝)の一つとしている。
《『遺文辞典』教学篇「印」・歴史篇「印」の項、『岩波仏教辞典』「印相」の項、『図説仏教語大辞典』「印契(いんげい)」の項》》