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融通念仏宗

ゆうずうねんぶつしゅう #4673

融通念仏宗

ゆうずうねんぶつしゅう

具さには融通大念仏宗といい、大念仏宗ともいう。
聖応大師良忍(一〇七二-一一三二)を開祖とし、十界一念・自他融通の念仏を行じて浄土往生を期することを宗旨とする。
永久五年(一一一七)、良忍が阿弥陀仏から直授されたという「一人一切人、一切人一人。一行一切行、一切行一行。是名他力往生、十界一念、融通念仏、億百万遍、功徳円満」の偈に基づき『華厳経』『法華経』を正依の経、浄土三部経を傍依の経とし、華厳・天台の章疏と『浄土論』によって開宗した。
この宗の根本理は弥陀直授と伝える前引の偈であるが、その根底には華厳の々無礙、天台の十界互具が存在している。
ちこの宗では人々の念仏の融通を説くのであって、一人の念仏が万人に功徳を及ぼし、万人の念仏が一人に功徳を及ぼして円融無礙であり、一人と一切衆生とが相互に包摂融合して念仏の功徳が成就し臨終に最勝位の往生を遂げる、と説くのである。
そして日課称名のを心に誓って融通念仏勧進帳にその名を記入する入会の時に自他の願行が成就すると信ずるのを安心とし、毎朝西方に向って念仏十声することを起行とする。
またこの宗は他力と称しているが、法然親鸞の説く他力とは異なる。
他力とは一般的には阿弥陀仏の衆生救済の誓願力をいうが、この宗では自分の念仏と他人の念仏とが相即相入して、往生成仏を遂げるのを他力往生とするのである。
良忍寂後に異義を説く者が出て、勢は衰えたが、七世法明良導(一二七九-一三四九)が勢を振興したので、彼を中興の祖と呼び、四六世大通融観(一六四九-一七一六)が宗義を大成し宗威を復興したので再興の祖とし、良忍と共に三祖と呼ぶ。
大阪市東住吉区の大念仏寺を本山とし、末寺三六二寺を有する。
『岩波教辞典』「融通念仏宗」の項

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