末寺
末寺
まつじ
寺院組織において本寺の支配下にある寺院をさす一般的な呼称である。
末寺の内にも宗派性、地域性等によって格式があり、その呼称も直末、又末、又々末および直門、又門、または地中、塔頭(たつちゆう)、近末、庵室等の呼称もある。
この呼称によって格式も異なり、かつ本末関係における機能分担が違っている。
例えば、直末とは本寺の直接支配下にある末寺で、末寺の内でも上格の寺院に当り、その内には中本寺などと呼称される場合もあり、自門下に末寺を有する場合もある。
この末寺は本寺からみれば又末となる。
直門とは本寺の直支配であるが直末とは格式が異なる寺院の呼称である。
この寺院は檀家をもたない祈願寺である場合が多い。
地中、塔頭とは支院、子院などとも呼称され、本寺の境域内に創設された境内寺院で独立的寺院ではない。
機能的には本院に出件し日常の行務を司る役僧の坊舎が半ば独立したものである。
また、この塔頭は各地より本寺に参詣にくる檀信徒の宿坊でもあり、本寺の布教の先端的役割を負う存在であって、この塔頭の数の多さが本寺の機構の大きさを示すものである。
近末とは、ふつう末寺は本寺より遠く離れた地にある場合が多いなかでも、本寺より半日行程にあって、本寺の日常行務に参加できる末寺の呼称である。
《『日蓮教団全史』上、辻善之助『日本仏教史』近世篇、圭室文雄『江戸幕府の宗教統制』、『遺文辞典』歴史篇「末寺」の項、『国史大辞典』一二巻「本末制度」の項》