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王仏冥合

おうぶつみょうごう #4099

王仏冥合

おうぶつみょうごう

王法と仏法とが冥々の内に合一すること。
ち日蓮聖人の立てられた法華経本門に立脚した仏法が、社会の中に在って民衆を指導する原となること。
聖人は『三大秘法禀承事』に本門の戒壇の内容を「戒壇とは、王法仏法に冥し、仏法王法に合して、王臣一同に本門の三大秘密の法を持ちて、有徳王覚徳比丘の其の乃往(むかし)を末法濁悪の未来に移さん時、勅宣並びに御教書を申し下して、霊山浄土に似たらん最勝の地を尋ねて戒壇を建立すべき者か。 を待つべきのみ。 法と申すは是也。 三並びに一閻浮提の人懴悔滅罪の戒法のみならず、大梵天王帝釈等も来下して踏み給ふべき戒壇也」(定一八六四頁)と説示されている。 「王仏冥合」の時とは、聖人の本化教学が国家社会の精神的指導原理となり、娑婆即寂光が達成される四海帰妙のを予記されたものである。 聖人三大秘法の一、本門の戒壇について、佐渡在島中の「富木殿御返事」(定七四三頁)、「法華行者値難事」(定七九八頁)にその名を記され、身延に入って『法華取要抄』(定八一五頁)、『報恩抄』(定一二四八頁)にその名目を挙げられたが、その内容については説示されていない。 前掲の『三大秘法抄』(弘安四年=一二八一)に初めて具体的にその規模と内容が示されたのであるが、同抄は古来よりその成立と思想内容について真偽の論が交わされてきた。 従って、同書の真偽論争と戒壇論争とは分かち難く直結しているのである。
富士門流では自派の相伝書「門徒存知事」「日蓮一期弘法」に「本門寺建立」「本門寺の戒壇建立」等とあることから、王法と仏法とが冥合した時、勅宣並びに御教書を申し下して戒壇が建立されるとする。 日蓮正宗創価学会が盛んに主張した「国立戒壇論」も、この系譜に連なるものであり、戒壇論争の一つの位置を占めるものであるが、最近その主張を取下げたことが根本義の改変であると新たな論議となっている。
日蓮聖人一代の思想と行動を顧る時、『立正安国論』を上奏されて信仰の改革を訴え、『観心本尊抄』に戒壇の内容をなす本尊と題目が開顕され、『如説修行抄』に「天下万民諸乗一仏乗と成て妙法独り繁昌せん時」(定七三三頁)と閻浮同帰の風光が示され、『曽谷入道殿許御書』『撰時抄』『報恩抄』等に最澄の戒壇建立の績を称揚され、閻浮同帰の要望が繰返し述べられている。 そして『三大秘法抄』の説示となったのである。
聖人における本門の戒壇は、聖人一期の理想たる四海帰妙閻浮同帰が達成され、娑婆即寂光土が活現されたに建立されるべきものとして予言されたのである。 それはまた聖人門下にとっての大きな課題でもある。
《『遺文辞典』教学篇「三大秘法」の項、『日蓮辞典』「王仏冥合」の項》

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