妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

上棟式

じょうとうしき #261

上棟式

じょうとうしき

「たてまえ」または「棟あげ式」ともいう。
建物を新築するとき、まず地鎮祭を行って地域を清浄し、地神水神等に法味を捧げて着工するが、基礎、間柱等の工事も終わって、棟を上げる時に、神官や僧侶を招いて十方を厳浄し、全工の円満完成を祈る儀式で、振幣、打槌などの棟梁奉行が行われる。
日本古来の習慣で、神官、あるいは大工の棟梁自ら幣束を作り、祝詞(のりと)をあげて修する所もあるが、日蓮宗の場合は最勝経王たる法華経の法味を捧げて、その円成を祈るべきである。
その奉行に当っては、(1)日取の選定―工担当者や建主と相談して吉日を選ぶ、(2)棟札―表に略本尊書式中に「聖主天中天哀愍衆生者伽陵頻伽声我等今敬礼」の文を入れる。
これは『上野殿御書』に「夫れについては屋形造之由目出度こそ候へ。(略)一つ棟札の事承り候。書き候て此伯耆公に進ぜ候」(定一九一四頁)とあって、化城喩品の経文を記してお与えになっているにより、日蓮系の各流派とも皆これを順守しているのである。
裏には「如来秘密神通之力護念群萠大慈不息如母思子聚福掃妖火不能焼水不能漂」の経文と共に、建立年月日、建主(会社なら役員名も)、工事社、棟梁及び職人名等を記し、修法導師名も録する。
(3)幣束供物、祭壇の準備―共に地方によって多少の相違があるが、所定の法式に従い粗略、華美にならぬよう留意する。
(4)祈願文地鎮祭に準ずるが、建築物の名称、建主、工社棟梁職人名も読上ることが望ましい―をあらかじめ決めて用意する。
大工の場合は式前に水行することもある。
差定は、(1)推鐘、(2)撃鼓、(3)初楽、(4)道場偈、(5)勧請、(6)開経偈、(7)読経(序品、方便、自我偈欲令衆三徳偈まで)、(8)五番神咒、(9)修法、(10)棟梁奉行、(11)祖訓(如説修行鈔)、(12)唱題、(13)円頓章、(14)祈願文、(15)奉送、(16)還楽、の順で行う。
更に追加して、(17)工経過報告、(18)祝辞挨拶、(19)職人衆の行、(20)撒餅撒銭等を行う場合もある。
また地方あるいは建主の希望により、棟飾り、破弓矢、吹流し、五色旛、隅餅の飾付け等色々異るが、要は諸天善神に法味を言上して、工の無完成と居住者の息災長久を至心に祈念することが大切である。
《『祈祷指南書』、『宗定法要式』、『教儀礼辞典』、『史大辞典』五巻「建築儀礼」の項

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