妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

開経偈

かいきょうげ #5110

開経偈

かいきょうげ

経典を読誦する前に唱える偈文。
各宗通用の文は、「無上甚深微妙法、百千万却難遭遇、我今見聞得受持、願解如来真実義」の四句で、作者は廬山の慧遠もしくは、大洪の守遂ともいい、また、恵心僧都源信との説もあるが明確ではない。
そして、本宗の開経偈は「願解如来真実義」の真実義を第一義と改め、更に「至極大乗、不可思議、見聞触知、皆近菩提、能詮報身、所詮法身、色相文字、即是応身、無量功徳、皆集是経、是故自在、冥薫密益、有智無智、滅罪生善、若信若諦、共成仏道、三世諸仏、甚深妙典、生生世世、値遇頂戴」と続く。また、訓読で唱え、実際に経巻を頂戴するところに特徴がある。
訓読を示すと次の通りである。「無上甚深微妙の法は、百千万劫にも遭いたてまつること難し。我れ今見聞し受持することを得たり。願わくは如来の第一義を解せん。至極の大乗、思議すべからず、見聞触知、皆菩提に近づく。能詮は報身。所詮は法身。色相の文字は、即ち是れ応身なり。無量の功徳、皆是の経に集まれり。是故に自在に、冥に薫じ密に益す。有智無智、罪を滅し善を生ず。若は信、若は謗、共に佛道を成ぜん。三世の諸佛、甚深の妙典なり。生生世世、値遇し頂戴せん」(仏教の生みの親・教え主・教えの先生であるおシャカさま。そのおシャカさまのみ教えの中心である、妙法蓮華経。一生かかっても、めぐりあうことのむずかしいその教えに、私たちは、今、見聞きし、手に触れ、知ることができました。尊いこのできごとを、素直な心で学び、真剣に取り組んで、みの心に近づきます。悪いことを止め、いことを進んで実行し、一生懸命にこのえをいただきます。おシャカさまの尊いお経をありがたくお読みいたします)
至極大乗以下の文は、慧明日燈撰『草山清規』の中に、天台大師回向文として誦することが記されており、これより時代が降って、優陀那日輝の『諸経要文集』には、開経偈の文として「無上甚深乃至値遇頂戴」が載せてあるところからみると、日輝によって開経偈の型がととのえられたものと思われる。
なお、開経の文として要路文、十矍歎、誦経文などを唱えるのもよく、この場合には、唱え終って経巻を頂戴するがいいと『充洽園礼誦儀記』の「歎」の頂に記されている。
『日蓮辞典』『岩波教辞典』「開経偈」の項

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