建長寺(神奈川県鎌倉市)
建長寺(神奈川県鎌倉市)
けんちょうじ
鎌倉市に所在。
巨福山と号し臨済宗建長寺派本山。
開山は宋僧の蘭渓道隆で、北条時頼により建長五年(一二五三)一一月に落慶した。
即ち日蓮聖人立教開宗の年であり、以後聖人の鎌倉での布教活動期と建長寺の興隆とは時を同じくする。
さて、聖人の御書中のいわゆる十一通御書の一つに『与建長寺道隆書』(文永五年=一二七〇=一〇月一一日)がある。
同年正月の蒙古来牒に鑑み、聖人が改めて執権時宗以下、当時の政界宗教界の代表一一人に対し国家の危機と対処すべき方法を告げ、法華正義を強調したものである。
この十一通書中、宗教界への冒頭が建長寺道隆であり、四箇格言をもって各宗の邪義を破折し、評議を迫っている。
また文永八年には、同じく十一通書中の極楽寺良観の祈雨の法に対し、聖人は弟子を遣わして「早魃は禅戒念仏等の謗法の過によるもので、建長寺等を焼き払い禅僧等の首を刎ねれば甘雨が降る」(『本化別頭仏祖統紀』取意)と述べて対決を申入れた。
やがて道隆を含む諸大寺の策動により、龍口法難へとつながる。
《『遺文辞典』歴史篇「建長寺」の項、『国史大辞典』五巻「建長寺」の項》