像法決疑経
像法決疑経
ぞうぼうけつぎきょう
一巻。
訳者不明。
『正蔵』八五巻、『続蔵』二編第二三套所収。
常施菩薩の請問を受けて、像法時における仏法衰滅の相と布施大悲行の功徳を説く。
天台大師智顗の『法華玄義』『法華文句』『摩訶止観』、信行の『三階仏法』、吉蔵の『法華玄論』、窺基の『大般若波羅蜜多経般若理趣分述讃』等に多く引用されているが伝訳が明らかでないところから真偽についての諸説がある。
日蓮聖人には『像法決疑経等要文』一三紙があり、中山法華経等に所蔵されている。
これは『災難興起由来』の裏(第一〇-二二紙)に記載されているもので、第一〇紙の冒頭に本経の引用が見られる。
更に『一代五時図』(定二三三七頁)『一代五時鶏図』(定二四〇七頁)『一代五時継図』(定二四二一頁)等に『涅槃経』の結経として位置づけられている。
これは本経が跋提河辺における仏の入涅槃直前の説法であることによるもので、『法華文句記』(巻九)が本経を「大涅槃経の結成」とする説を継承されたものと思われる。
《『遺文辞典』歴史篇「像法決疑経」の項、『大蔵経全解説大事典』「〇八七〇・像法決疑経」の項、『仏書解説大辞典』「像法決疑経」の項》